COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは|原因・症状・診断・治療について
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、主に長期間の喫煙によって気管支や肺が慢性的に炎症を起こし、呼吸機能がゆるやかに低下していく病気です。代表的なものが肺気腫で、進行すると少し動いただけで息切れするようになり、「陸にいるのに溺れているよう」と表現されるほど苦しい状態になることもあります。国内の推定患者数は500万人以上ともいわれますが、実際に診断・治療を受けている方はごく一部とされています。
大手町・丸の内・神田・東京駅周辺でCOPDの診療をお考えの方へ
リーレクリニック大手町は、大手町駅C2b出口直結・徒歩1分の内科クリニックです。長引く咳・痰・息切れの原因精査から、禁煙外来と連携したCOPDの進行予防、定期的な経過観察まで対応しています。
COPDとは
COPDは、タバコ煙などの有害物質を長期間吸入することで気道や肺胞に慢性的な炎症が起こり、空気の通り道が狭くなって呼吸機能が徐々に失われていく病気です。一度失われた肺の機能は基本的に元に戻らないため、早期発見と進行を食い止めることが治療の中心になります。
COPDの症状
初期は咳・痰といった症状のみのことが多く、風邪と区別がつきにくい場合もあります。進行すると、坂道や階段で息切れするようになり、さらに進むと安静時にも呼吸が苦しくなります。
痰が続く
労作時の息切れ
喘鳴(ゼーゼー)
体重減少
これらの症状がゆっくり進行するため、「年のせい」と見過ごされ、受診が遅れることが少なくありません。
COPDの原因
COPDの原因の約90%は喫煙です。喫煙者の約15〜20%がCOPDを発症するとされ、喫煙年数・本数が多いほどリスクが高まります。大気汚染物質の長期吸入、職業性の粉塵曝露、アスベスト曝露も原因になります。
大気汚染物質の吸引
職業性の粉塵曝露
アスベスト曝露
遺伝的要因(α1アンチトリプシン欠損症など)
COPDの検査・診断
COPDの診断にはスパイロメトリー(呼吸機能検査)が不可欠です。気管支拡張薬を吸入した後の検査で、1秒率(FEV1/FVC)が70%未満の場合にCOPDと診断されます。あわせて、胸部レントゲンやCTで肺気腫の有無、他の疾患との区別を確認します。
- 呼吸機能検査(スパイロメトリー)
- 胸部レントゲン
- 血液検査(合併症や炎症の評価)
- 必要に応じて胸部CT(連携医療機関での実施)
COPDの重症度
国際的なガイドライン(GOLD:Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)では、1秒量(FEV1)の値をもとに軽度から最重度まで4段階に分類し、症状や急性増悪の頻度もあわせて総合的に治療方針を決めます。
COPDの治療
COPDは基本的に不可逆性の疾患で、失われた肺機能を元に戻すことはできません。そのため治療の目標は、進行を食い止め、症状を和らげ、急性増悪を防ぐことに置かれます。
禁煙
治療の中で最も重要なのが禁煙です。禁煙により、その後の肺機能低下のスピードを非喫煙者に近づけることができます。自力での禁煙が難しい場合は、禁煙外来でニコチン置換療法や飲み薬による保険診療でのサポートが受けられます。
薬物療法
気管支拡張薬(長時間作用性の抗コリン薬・β2刺激薬)の吸入が中心です。症状や増悪の頻度に応じて、吸入ステロイド薬を併用することもあります。
呼吸リハビリテーション・在宅酸素療法
呼吸法の指導や運動療法によって、息切れを軽減し日常生活の活動性を保つことを目指します。重症で血液中の酸素が慢性的に不足する場合は、在宅酸素療法が導入されることもあります。
ワクチン接種
COPDでは肺炎やインフルエンザをきっかけに急性増悪を起こしやすいため、インフルエンザワクチン・肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されています。
急性増悪について
感染症などをきっかけに、咳・痰・息切れが普段より急に悪化することを急性増悪といいます。急性増悪を繰り返すほど肺機能の低下が早まるとされており、症状が普段と違うと感じたら早めの受診が重要です。強い呼吸困難や意識の変化がある場合は、救急受診が必要になることもあります。
初診時の流れ
喫煙歴(本数・年数)、これまでの健康診断結果があればお持ちください。
咳・痰・息切れの経過、喫煙歴、職業歴などを確認します。
胸部レントゲン、血液検査などを行い、必要に応じて呼吸機能検査や専門医療機関での精密検査をご案内します。
禁煙のご相談、吸入薬の導入など、状態に応じた治療方針をご説明します。
定期受診で症状や肺機能の変化を確認しながら治療を調整します。
よくある質問
Q. タバコをやめればCOPDは治りますか?
A. 一度失われた肺の機能を完全に元に戻すことはできませんが、禁煙によってその後の機能低下のスピードを緩やかにできます。診断された時点が最も早いタイミングですので、できるだけ早く禁煙することが重要です。
Q. タバコを吸っていませんが、COPDになりますか?
A. 受動喫煙、大気汚染物質、職業性の粉塵曝露などでも発症することがあります。長引く咳や息切れがある場合は、喫煙歴がなくても一度ご相談ください。
Q. 健康診断で「肺機能低下」を指摘されました。COPDでしょうか?
A. 健診の簡易的な呼吸機能検査で異常を指摘された場合、精密なスパイロメトリーで確定診断を行う必要があります。喫煙歴がある方は、症状がなくても一度検査を受けることをおすすめします。
Q. COPDと診断されたら、すぐに酸素療法が必要ですか?
A. いいえ。在宅酸素療法が必要になるのは、血液中の酸素濃度が慢性的にかなり低下した重症例です。多くの方は禁煙・吸入薬・呼吸リハビリで日常生活を維持できます。
Q. COPDがあると他の病気にもなりやすいですか?
A. はい。喫煙が共通の原因となるため、肺がん・心血管疾患・骨粗鬆症などを合併しやすいことが知られています。COPDの管理とあわせて、これらの合併症の評価も重要です。
当院のCOPD診療
- 長引く咳・痰・息切れの原因精査
- 胸部レントゲン・血液検査による評価
- 禁煙外来と連携した禁煙サポート
- 吸入薬による治療と定期的な経過観察
- インフルエンザ・肺炎球菌ワクチンのご相談
- 精密な呼吸機能検査やCTが必要な場合の連携医療機関へのご紹介
一般内科の診療内容・院内でできる検査・アクセスは大手町の内科(一般内科)のページをご覧ください。
参考文献
- Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD). Global Strategy for the Diagnosis, Management, and Prevention of COPD. 2025 Report.
- 日本呼吸器学会. COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン 第6版. 2022.