大手町の内科・男性更年期障害(テストステロン治療)専門クリニック
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テストステロンと健康寿命

テストステロン補充療法(TRT)は健康寿命につながる?|「元気に長く生きる」という視点から考える

「長生き」より「元気に過ごす時間」が大切

近年、「健康寿命」という言葉を耳にする機会が増えました。

健康寿命とは、

介護を受けず、自分らしく元気に生活できる期間のことです。

単に寿命を延ばすだけではなく、

  • 趣味を楽しめる

  • 仕事を続けられる

  • 旅行に行ける

  • 家族と活動的に過ごせる

そんな時間を長く保つことが、健康寿命の本質です。

男性更年期障害(LOH症候群)の治療であるTRT(テストステロン補充療法)は、

寿命を延ばすことを目的とした治療ではありません。

しかし、健康寿命を支える身体づくりには役立つ可能性があります。

▶ TRT(テストステロン補充療法)の対象となる男性更年期障害(LOH症候群)の症状・検査・治療について詳しく見る


テストステロンは「活動するためのホルモン」

テストステロンは、

男性ホルモンというイメージが強いですが、

実際には、

  • 筋肉

  • 代謝

  • 意欲

など全身に作用しています。

テストステロンが低下すると、

「病気」ではなくても、

  • 疲れやすい

  • 外出がおっくう

  • 筋力が落ちる

  • 運動しなくなる

  • 太りやすくなる

という悪循環が始まります。


元気になると、自然と動けるようになる

TRTで最も確立している効果は、

活力(Vitality)やQOLの改善です。

もちろん個人差はありますが、

「朝起きやすくなった」

「仕事が楽になった」

「休日に出かけるようになった」

という患者さんも少なくありません。

運動が健康寿命を延ばすことは、多くの研究で証明されています。

もしTRTによって活動量が増えれば、

結果として健康にも良い影響が期待できるでしょう。

ただし、

これはまだ十分に証明された事実ではなく、

理論的に期待される好循環と考えられています。


筋肉を維持することは健康寿命につながる

加齢とともに問題になるのが、

サルコペニア(筋肉量・筋力の低下)です。

筋肉が減ると、

  • 転びやすくなる

  • 疲れやすい

  • 階段がつらい

  • 外出しなくなる

という悪循環につながります。

TRTでは、

筋肉量(除脂肪体重)が増えることは多くの研究で示されています。

さらに筋力トレーニングを組み合わせることで、

筋力や身体機能の改善も期待できます。

つまり、

TRTは「筋トレの代わり」ではなく、

筋トレの効果を発揮しやすい身体づくりをサポートする治療と考えられます。


骨を守ることも重要

骨折は、

健康寿命を大きく縮める原因の一つです。

特に高齢者では、

大腿骨骨折をきっかけに介護が必要になることも少なくありません。

テストステロンは骨密度の維持にも重要なホルモンであり、

TRTによって骨密度が改善することは多くの研究で報告されています。

現時点では、

「骨折を減らした」という十分な証拠まではありません。

しかし、

骨密度が改善すれば、将来的な骨折予防につながる可能性は十分考えられます。


運動したくなること自体が大きなメリット

男性更年期障害では、

「運動しなければ」

と思っていても、

そもそも体が動かない方が少なくありません。

活力が戻ることで、

  • ジムへ行ける

  • 散歩を始められる

  • 趣味を再開できる

そんな変化が生まれることがあります。

健康寿命を延ばすのは、

薬そのものではなく、

薬をきっかけに生活習慣が変わることなのかもしれません。


TRTだけでは健康寿命は延びません

ここは非常に重要です。

現時点では、

TRTだけで健康寿命が延びることは証明されていません。

しかし、

健康寿命を短くする原因である

  • 筋肉量低下

  • 活動量低下

  • 肥満

  • 抑うつ

  • 生活の質の低下

などを改善する可能性は報告されています。

だからこそ、

TRTは

  • 筋力トレーニング

  • 有酸素運動

  • 良質な睡眠

  • バランスの良い食事

と組み合わせることが重要です。


「健康寿命が延びる」はまだ証明されていない

現時点では、

TRTで寿命や健康寿命が延びることを証明した研究はありません。

そのため、

そのように断言することはできません。

一方で、

活力や筋肉量、骨密度、生活の質など、

健康寿命を支える多くの要素が改善することは示されています。

今後、

10年、20年という長期研究が進めば、

健康寿命への影響も明らかになるかもしれません。


まとめ

テストステロン補充療法(TRT)は、

寿命を延ばす治療ではありません。

しかし、

  • 活力の改善

  • 筋肉量の維持

  • 骨密度の改善

  • 運動しやすい身体づくり

  • 生活の質(QOL)の向上

などを通して、

「元気に生活できる時間」を支える可能性があります。

現時点では、

健康寿命そのものを延ばすことは証明されていません。

それでも、

毎日を活動的に過ごし、

運動や趣味を続けられる身体を目指すことは、

結果として健康寿命につながる可能性があります。

TRTはその第一歩となる治療の一つです。


参考文献

  1. Bhasin S, et al. Testosterone Therapy in Men With Hypogonadism: An Endocrine Society Clinical Practice Guideline. J Clin Endocrinol Metab. 2018.

  2. Mulhall JP, et al. Evaluation and Management of Testosterone Deficiency: AUA Guideline. J Urol. 2018.

  3. Khera M, et al. EMAS Position Statement on Testosterone Therapy in Older Men. Maturitas. 2023.

  4. Snyder PJ, et al. Effects of Testosterone Treatment in Older Men. N Engl J Med. 2016.

  5. Hudson J, et al. Adverse cardiovascular events and mortality in men during testosterone treatment: An individual patient data meta-analysis. Lancet Healthy Longev. 2022.

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