不飽和脂肪酸はテストステロンに良い?|コレステロール・減量・男性ホルモンとの関係をエビデンスで解説
「脂質は体に悪い」は本当?
「脂質は太るから控えた方がいい」
「コレステロールは健康に悪い」
そんなイメージを持っている方は少なくありません。
しかし、脂質にはさまざまな種類があり、すべての脂質が悪いわけではありません。
近年では、オリーブオイルやナッツ、青魚などに多く含まれる不飽和脂肪酸が、
- LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の改善
- 心血管疾患リスクの低下
- 減量のサポート
- テストステロンを維持しやすい体づくり
などに役立つ可能性が示されています。
今回は、不飽和脂肪酸と男性ホルモンの関係について解説します。
不飽和脂肪酸とは?
脂質は大きく分けると、
- 飽和脂肪酸
- 不飽和脂肪酸
に分類されます。
不飽和脂肪酸にはさらに、
一価不飽和脂肪酸(MUFA)
代表的な食品
- オリーブオイル
- アボカド
- アーモンド
- マカダミアナッツ
多価不飽和脂肪酸(PUFA)
代表的な食品
- サバ
- イワシ
- サンマ
- サーモン
- クルミ
- えごま油
- 亜麻仁油
これらは地中海食でも積極的に摂取が推奨されている脂質です。
LDLコレステロールを改善し、心臓や血管を守る
不飽和脂肪酸について最も確立している効果は、
LDLコレステロールを改善し、動脈硬化や心血管疾患のリスクを低下させることです。
特に飽和脂肪酸の一部を不飽和脂肪酸へ置き換えることで、
- LDLコレステロール低下
- 血管内皮機能改善
- 慢性炎症の軽減
などが期待できます。
男性更年期障害では、高血圧や脂質異常症、糖尿病などを合併している方も少なくありません。
そのため、不飽和脂肪酸を積極的に取り入れることは、テストステロンだけでなく健康寿命全体にも良い影響が期待されます。
減量にも役立つ可能性がある
「油を食べると太る」と思われがちですが、
実際には脂質の「質」が重要です。
オリーブオイルやナッツを取り入れた地中海食では、
満腹感が得られやすく、
長期間続けやすいことから、
体重管理にも有効であることが報告されています。
さらに、
- インスリン感受性改善
- 内臓脂肪減少
- 血糖コントロール改善
などのメリットも期待されています。
脂肪が減るとテストステロンも改善しやすい
男性更年期障害では、
肥満との関係が非常に重要です。
内臓脂肪が増えると、
脂肪組織に存在するアロマターゼという酵素によって、
テストステロンは女性ホルモン(エストロゲン)へ変換されやすくなります。
つまり、
肥満 → テストステロン低下
という悪循環が起こります。
逆に減量すると、
遊離テストステロンや総テストステロンが改善することが、多くの研究で報告されています。
不飽和脂肪酸は、その減量をサポートする食事の一部として役立つ可能性があります。
テストステロンは「コレステロール」から作られる
ここは意外と知られていません。
テストステロンは、
コレステロールを材料として合成されるホルモンです。
そのため、
「コレステロールはゼロにすれば健康」
という考え方は正しくありません。
もちろん、
LDLコレステロールが高すぎる状態は改善する必要があります。
しかし、
極端な脂質制限を行うと、
ホルモン合成に必要な材料や脂溶性ビタミンの摂取まで不足する可能性があります。
つまり、
脂質は減らすのではなく、良い脂質へ置き換えることが重要なのです。
不飽和脂肪酸でテストステロンは上がる?
ここは少し慎重に考える必要があります。
現在のところ、
「不飽和脂肪酸を食べればテストステロンが上がる」と断言できるエビデンスはありません。
一方で、
近年のレビューでは、
オリーブオイルを中心とした地中海食は、
- 酸化ストレス軽減
- 炎症抑制
- 肥満改善
- インスリン抵抗性改善
などを通じて、
テストステロンを維持しやすい環境を作る可能性があると考えられています。
つまり、
直接テストステロンを上げるというより、「テストステロンが働きやすい身体を作る」
というイメージが近いでしょう。
極端な低脂肪食には注意
一方で、
極端な低脂肪食は注意が必要です。
2021年のメタアナリシスでは、
低脂肪食によって総テストステロンや遊離テストステロンがわずかに低下する可能性が報告されました。
ただし、
2025年のより大規模なメタアナリシスでは有意差は認められず、現時点では結論は一致していません。
重要なのは、
脂質を極端に制限することではなく、飽和脂肪酸を減らし、不飽和脂肪酸へ置き換えることです。
今日から取り入れたい食品
不飽和脂肪酸を多く含む食品としておすすめなのは、
- サバ
- イワシ
- サンマ
- サーモン
- オリーブオイル
- アボカド
- クルミ
- アーモンド
- ピスタチオ
これらを日々の食事に取り入れるだけでも、
健康的な脂質バランスに近づけます。
一方で、
- 揚げ物
- 加工肉
- トランス脂肪酸を多く含む菓子類
などは控えめにすることが勧められます。
食事だけではなく運動も重要
男性ホルモンを維持するためには、
食事だけでは十分ではありません。
- 筋力トレーニング
- 有酸素運動
- 十分な睡眠
- 適切な体重管理
これらを組み合わせることで、
テストステロンが働きやすい身体づくりにつながります。
不飽和脂肪酸は、その生活習慣を支える「土台」の一つと考えるのがよいでしょう。
まとめ
不飽和脂肪酸には、
- LDLコレステロールの改善
- 心血管疾患リスクの低下
- 減量のサポート
- インスリン感受性の改善
など、多くの健康効果が期待されています。
また、テストステロンはコレステロールを材料として作られるホルモンであり、極端な脂質制限は必ずしも望ましくありません。
現時点では、不飽和脂肪酸そのものがテストステロンを大きく上昇させるという明確な証拠はありません。
しかし、
肥満改善や炎症の抑制、代謝改善を通じて、男性ホルモンが働きやすい身体づくりに役立つ可能性があります。
男性更年期障害の改善には、食事だけでなく、運動・睡眠・体重管理を組み合わせることが大切です。
日々の食事で「良い脂質」を意識することは、健康寿命や男性ホルモンを守る第一歩になるかもしれません。
参考文献
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