大手町の内科・男性更年期障害(テストステロン治療)専門クリニック
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ワキ汗(原発性腋窩多汗症)

ワキ汗(原発性腋窩多汗症)の治療|保険適用・エクロックゲル・ラピフォートワイプ

「シャツに汗ジミができる」「人前で腕を上げるのが恥ずかしい」「制汗剤では十分改善しない」など、ワキ汗でお悩みではありませんか。

シャツに汗ジミができる
腕を上げるのが恥ずかしい
制汗剤で改善しない
季節に関係なく脇汗が多い
緊張すると大量に汗が出る

このような症状が続く場合、「原発性腋窩多汗症」という病気の可能性があります。近年は保険適用となる塗り薬が登場し、多くの患者さんが外来で治療を受けられるようになりました。軽症から中等症では、外用薬が第一選択として推奨されています。

原発性腋窩多汗症とは

汗は体温調節に必要ですが、体温とは関係なく必要以上の発汗が続く病気を「原発性局所多汗症」と呼びます。特に脇に症状があるものが原発性腋窩多汗症です。

原因は汗腺そのものではなく、自律神経から分泌されるアセチルコリンに対する汗腺の反応が過剰になることと考えられています。

制汗剤では改善しないのはなぜ?

「市販の制汗剤をいろいろ試したけれど、汗が止まらない」という方は少なくありません。これは、市販の制汗剤と医療用の外用薬で汗を抑えるしくみが違うためです。

市販の制汗剤(塩化アルミニウムなど)

  • 汗腺の出口を一時的にふさぐ・引き締める作用が中心
  • 神経からの過剰な発汗の指令そのものは抑えられない
  • 刺激やかぶれで続けにくいことがある

医療用の外用薬(エクロック・ラピフォート)

  • 抗コリン薬。汗を出す神経伝達物質(アセチルコリン)の働きを抑える
  • 発汗の「指令」そのものを弱めるため、原発性腋窩多汗症に効果が期待できる
  • 原発性腋窩多汗症と診断されれば保険適用

原発性腋窩多汗症は、汗腺の数や大きさの異常ではなく、自律神経から汗腺への刺激が過剰になっている状態です。そのため、出口をふさぐタイプの制汗剤では十分な効果が得られにくく、神経の刺激を抑える治療が有効です。

原発性腋窩多汗症の診断

次のような症状が6か月以上続き、さらに複数の項目を満たす場合に診断されます。

  • 明らかな原因がない
  • 左右対称に汗が出る
  • 週1回以上起こる
  • 日常生活に支障がある
  • 25歳以下で発症した
  • 家族歴がある
  • 睡眠中はほとんど汗をかかない

診察では、甲状腺疾患糖尿病、感染症など、二次性多汗症を除外したうえで診断します。

HDSS(重症度)セルフチェック

HDSS(Hyperhidrosis Disease Severity Scale)は、わき汗が日常生活にどの程度支障をきたしているかを4段階で評価する国際的な指標です。当てはまるものを選んでください。

わき汗は、あなたの日常生活にどのくらい支障がありますか?




1〜2:日常生活への支障は大きくない段階です。
まずは市販の制汗剤や生活の工夫で様子をみる範囲です。汗ジミやにおいが気になる場合、緊張場面で困る場合はご相談ください。
3〜4:日常生活に支障がある段階です。
原発性腋窩多汗症の診断基準の一つを満たします。保険適用の外用薬(エクロックゲル・ラピフォートワイプ)による治療の対象になりえますので、一度ご相談ください。

HDSSは3以上が治療の目安とされ、治療では「2以下への改善」または「2段階以上の改善」が目標になります。このセルフチェックは診断ではありません。判定はこの画面上でのみ行われ、送信・保存はされません。

ワキガ(腋臭症)との違い

多汗症とワキガ(腋臭症)は混同されがちですが、「汗の量」の問題か「におい」の問題かという違いがあります。関係する汗腺も治療も異なり、両方を合併することもあります。

皮ふの断面図。エクリン汗腺は汗を皮ふの表面に直接出し、量が多いと多汗症になる。アポクリン汗腺は毛穴に分泌物を出し、皮ふの菌に分解されてにおいが出るとワキガ(腋臭症)になる。
エクリン汗腺は汗を皮ふの表面に直接出し、量が多いと多汗症になります。アポクリン汗腺は毛穴に分泌物を出し、皮ふの常在菌に分解されて特有のにおいが生じるとワキガ(腋臭症)になります。
多汗症(原発性腋窩多汗症) ワキガ(腋臭症)
主な悩み 汗の量が多い・汗ジミ 特有のにおい
関係する汗腺 エクリン汗腺 アポクリン汗腺
におい 汗そのものは基本的に無臭 アポクリン汗の成分が皮ふの菌に分解されてにおう
主な治療 外用抗コリン薬・ボツリヌス療法など 制汗・殺菌、重症例は手術(剪除法)・ミラドライなど
保険適用 外用薬・ボツリヌス療法は保険適用 重症の腋臭症に対する手術は保険適用の場合あり

当院では原発性腋窩多汗症(汗の量)の診断と外用薬治療を行っています。ワキガ(におい)が主体の場合や手術をご希望の場合は、皮膚科・形成外科をご案内します。

保険適用になる方

原発性腋窩多汗症と診断された場合は、保険診療で治療できます。診察で、発汗の程度・日常生活への影響・他疾患の有無を確認して、治療方針を決定します。

ワキ汗治療の流れ

① 外用薬(第一選択)

現在、日本では2種類の保険適用外用薬があります。詳しい違いは下のセクションで解説します。

エクロックゲル®

ゲル/1日1回塗布

  • 有効成分:ソフピロニウム臭化物
  • 1日1回、脇へ塗布します
  • 汗を出す神経伝達物質(アセチルコリン)の働きを抑えて発汗を減らします
  • 国内臨床試験で有効性が確認され、2020年より使用可能となりました

ラピフォートワイプ®

シート/1日1回

  • 有効成分:グリコピロニウムトシル酸塩水和物
  • 使い捨てシートで左右の脇を拭くだけの治療です
  • 2022年から保険診療で使用可能となりました
  • 海外でも使用実績があり、日本でも有効性・安全性が確認されています

使用時の注意

どちらの薬も抗コリン薬です。以下の方では使用できません。

  • 閉塞隅角緑内障
  • 前立腺肥大症による排尿障害
  • 成分にアレルギーがある方

また、目を触らない・使用後は手を洗う・清潔で乾いた脇へ塗布することが重要です。目に付着すると散瞳やかすみ目が起こることがあります。

効果が出るまで

毎日継続して使用することが重要です。一般的には、数日〜数週間で改善し、約4週間で効果判定を行います。

エクロックとラピフォートはどちらがおすすめ?

どちらも1日1回・保険適用の外用抗コリン薬で、有効成分が異なります。効果に明確な優劣を示す直接比較試験はないため、使い心地や生活スタイルで選ぶのが基本です。

エクロックゲル® ラピフォートワイプ®
有効成分 ソフピロニウム臭化物 グリコピロニウムトシル酸塩水和物
剤形 ゲル(専用アプリケーターで塗る) 薬液を含んだ使い捨てシートで拭く
使用回数 1日1回 1日1回
持ち運び ボトル 個包装で携帯しやすい
発売 2020年 2022年
保険適用

エクロックが向いている方

  • ゲルの塗り心地が好み
  • 塗る量を自分で調整したい

ラピフォートが向いている方

  • 外出先でも手軽に使いたい
  • ベタつきが苦手で、シートでさっと拭きたい
  • 個包装で携帯したい

共通の注意点として、どちらも抗コリン薬のため、閉塞隅角緑内障・前立腺肥大による排尿障害のある方は使用できません。使用後は手を洗い、目に触れないようにしてください。まずどちらかで4週間ほど試し、効果や使用感をみて調整します。

外用薬で改善しない場合

症状によっては、次のような治療を検討する場合があります。当院ではボトックス注射のみ対応しております。

  • ボツリヌス療法(ボトックス注射):ワキの発汗エリアに少量ずつ複数か所注射し、発汗を抑えます。効果は3〜7か月持続するとされています。
  • イオントフォレーシス:手足の多汗に用いられます。
  • 手術
  • ミラドライ(自由診療)
脇ボトックス(ボツリヌス療法)の施術イメージ。腕を上げた状態で、ワキの発汗範囲に10〜20か所、少量ずつ注射する。
ボツリヌス療法のイメージ。ワキの発汗範囲(点線)を確認し、少量ずつ複数か所に注射します。効果は3〜7か月ほど持続するとされています。

よくある質問

Q. 市販の制汗剤との違いは?

A. 市販品は汗腺の出口をふさぐ・引き締める作用が中心で、汗の量を一時的に抑えることが目的です。エクロックやラピフォートは抗コリン薬で、汗を出す神経の刺激そのものを抑えるため、原発性腋窩多汗症に効果が期待できます。

Q. ワキガの治療もできますか?

A. 当院では汗の量(多汗症)に対する診断と外用薬治療を行っています。においが主体のワキガ(腋臭症)や手術をご希望の場合は、皮膚科・形成外科をご案内します。

Q. 一生続ける必要がありますか?

A. 症状に応じて治療期間を調整します。中止すると再び汗が増えることがあります。

Q. 保険適用ですか?

A. 原発性腋窩多汗症と診断された場合は保険適用になります。

当院でのワキ汗診療

当院では、

  • 原発性腋窩多汗症の診断
  • エクロックゲルの処方
  • ラピフォートワイプの処方
  • 他疾患との鑑別
  • 必要時の専門医紹介

を行っています。汗で日常生活に支障がある方は、お気軽にご相談ください。

LINEで予約 電話 03-5224-6672

一般内科の診療内容・院内でできる検査・アクセスは大手町の内科(一般内科)のページをご覧ください。

参考文献

  • 日本皮膚科学会. 原発性局所多汗症診療ガイドライン 2023年改訂版.
  • 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「多汗症と無汗症 Q8 外用薬はどんなものがありますか」.
  • 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「多汗症と無汗症 Q9 外用療法を教えてください」.
  • エクロックゲル5% 添付文書(PMDA).
  • ラピフォートワイプ2.5% 添付文書(PMDA).
  • Jitsukawa M. Development of Rapifort® Wipes 2.5% for the Treatment of Primary Axillary Hyperhidrosis. Drug Delivery System. 2023.
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