男性更年期障害の原因一覧
男性更年期障害(LOH症候群)は、テストステロンの低下によって起こりますが、その背景にはさまざまな要因が関わっています。加齢そのものに加え、生活習慣やストレス、他の病気が重なって症状を悪化させることも少なくありません。ここでは代表的な原因・悪化要因をご紹介します。
加齢
テストステロンは、加齢とともに緩やかに低下していくことが知られています。多くは30代後半から40代にかけて徐々に進行するため、「歳のせい」と見過ごされやすいのが特徴です。低下のスピードには個人差があり、急激に低下する方もいれば、高齢になってもあまり低下しない方もいます。
慢性的なストレス
一時的な強いストレスは一過性のテストステロン低下にとどまることが多い一方、慢性的・持続的なストレスは、脳の視床下部・下垂体・精巣の連携(HPG系)に影響し、テストステロンの持続的な低下につながることが報告されています。仕事や家庭でのストレスが長く続いている方は、症状の一因になっている可能性があります。
肥満・メタボリックシンドローム
内臓脂肪が増えると、脂肪組織でテストステロンが女性ホルモン(エストロゲン)に変換されやすくなり、結果としてテストステロンがさらに低下するという悪循環が起こることがあります。肥満・メタボリックシンドロームとテストステロン低下は相互に影響し合う関係にあると考えられています。
睡眠不足・睡眠時無呼吸症候群
テストステロンは主に深い睡眠中に多く分泌されるため、睡眠不足や睡眠の質の低下は、テストステロン低下の一因となります。特に睡眠時無呼吸症候群(SAS)では、夜間の低酸素状態がホルモン分泌に影響することが知られており、テストステロン低下がさらに睡眠の質を悪化させる相互関係も指摘されています。
運動不足
運動、特に筋力トレーニングはテストステロン分泌を促す効果が期待できるとされています。反対に、運動不足はテストステロンの分泌を促す機会を減らすことにつながります。テストステロンを上げる生活習慣については、以下のコラムでも詳しくご紹介しています。
過度の飲酒・喫煙
過度の飲酒は、テストステロンの働きに影響を与える可能性が指摘されています。喫煙についても、テストステロンの合成に関わる精巣の細胞にダメージを与える可能性が考えられており、生活習慣の見直しの対象としてご説明することがあります。
生活習慣病(糖尿病など)
2型糖尿病とテストステロン低下は、互いに関連し合うことが報告されています。糖尿病の方はテストステロンが低下しやすく、逆にテストステロンが低い方は糖尿病を発症しやすい傾向があるとされ、生活習慣病の管理は男性更年期障害の予防・改善にもつながると考えられています。
よくある質問
Q. 生活習慣を改善すればテストステロンは回復しますか?
A. 睡眠・運動・飲酒などの生活習慣の見直しは、テストステロンの維持・改善に役立つ可能性がありますが、症状の程度によっては薬物療法が必要な場合もあります。詳しくは診察でご相談ください。
Q. 若い年代でも男性更年期障害になりますか?
A. 主に30代後半以降に多く見られますが、ストレスや生活習慣などの要因が重なることで、若い年代でも症状が現れることがあります。
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参考文献
- 日本泌尿器科学会・日本Men’s Health医学会「LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)診療の手引き」日本泌尿器科学会 LOH症候群診療ガイドライン(PDF)
- Friedl KE, Nindl BC, Potter AW. “Stress-associated testosterone suppression: central adaptation or hypogonadism?” J Clin Endocrinol Metab. 2026. doi:10.1210/clinem/dgag181
このページについて
- 監修医:院長 片山泰輔(日本内科学会総合内科専門医/日本腎臓学会腎臓内科専門医)
- 所属:リーレクリニック大手町
- 更新日:2026年8月27日
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