インフルエンザワクチンは10月まで打てない?2026年は早めの接種を
「インフルエンザワクチンは10月1日から接種するもの」
このように考えている方も多いのではないでしょうか。
確かに、例年は10月からインフルエンザワクチンの接種が始まる医療機関が多く、65歳以上の方などを対象とした定期接種についても、自治体が10月から実施期間を設定していることが多いです。
しかし、インフルエンザワクチンは全国一律に「10月1日にならなければ接種してはいけない」という決まりがあるわけではありません。
特に2026年は、例年より早くインフルエンザの流行が始まっているため、早めの接種を検討する意義があります。
インフルエンザワクチンには「定期接種」と「任意接種」があります
まず、インフルエンザワクチンの接種には、大きく分けて「定期接種」と「任意接種」があります。
定期接種とは
予防接種法に基づいて自治体が実施する予防接種です。
季節性インフルエンザでは、原則として以下の方が対象となります。
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65歳以上の方
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60~64歳で、心臓・腎臓・呼吸器の機能などに一定の障害がある方
定期接種では、自治体による公費負担があるため、自己負担額が比較的少なくなる場合があります。
ただし、接種期間や自己負担額などは自治体によって異なります。
厚生労働省も、定期接種の実施期間や費用は自治体によって異なるため、各市区町村に確認するよう案内しています。
そのため、
「10月1日からしかインフルエンザワクチンを接種できない」
という全国共通のルールがあるわけではありません。
自治体が定めた定期接種の期間が10月1日からであれば、その自治体の公費による定期接種としては10月1日からということになります。
任意接種とは
一方、定期接種の対象にならない方が受けるインフルエンザワクチンは、基本的に任意接種です。
厚生労働省も、季節性インフルエンザワクチンを任意接種の例として挙げています。
任意接種の場合、
「全国一律で10月1日から」という決まりはありません。
ワクチンが供給され、医療機関が接種を開始していれば、9月中でも接種することができます。
つまり、「10月1日から接種開始」というのは、法律で全国一律に決められたインフルエンザワクチンの接種開始日ではありません。
当院では今年の流行を踏まえ、9/15から開始しています。
なぜ例年は10月から接種するのでしょうか?
それでは、なぜ多くの医療機関で10月から接種が始まるのでしょうか。
その理由の一つは、インフルエンザの流行時期です。
日本では、例年は冬に流行し、12月頃から患者数が増加して1~3月頃にピークを迎えることが一般的です。
そのため、流行が本格化する前にワクチンを接種しておくという考え方から、10月~11月頃に接種することが一般的になっています。
厚生労働省も、通常のインフルエンザについては12月中旬までに接種を終えることが望ましいとしています。
また、インフルエンザワクチンは接種した直後から十分な予防効果が得られるわけではありません。
免疫が十分に形成されるまでには一定の時間が必要で、厚生労働省の資料では、接種後およそ2週間程度から予防効果が期待されるとされています。
そのため、「流行が始まってから接種する」のではなく、流行が始まる前に接種しておくことが基本となります。
2026年は例年より早くインフルエンザが流行しています
ここで注意したいのが、2026/27シーズンのインフルエンザ流行状況です。
2026年は例年とは異なり、かなり早い時期からインフルエンザの流行が始まっています。
東京都感染症情報センターは、2026年9月11日時点で、都内のインフルエンザ定点当たり報告数が流行開始の目安となる1.0人を超えたことを公表しています。
つまり、
「インフルエンザは冬になってから流行するから、10月まで待てばよい」
とは、今年は必ずしも言えません。
すでに流行が始まっている地域では、ワクチンを接種してから免疫が形成されるまでの期間も考える必要があります。
2026年は「10月まで待つ」必要はありません
もちろん、インフルエンザワクチンを9月に接種したからといって、その後のシーズンを完全にカバーできることが保証されるわけではありません。
ワクチンによる免疫は時間とともに低下することが知られているため、接種時期については、その年の流行状況とのバランスを考える必要があります。
しかし、すでにインフルエンザが流行しているのであれば、「10月1日になるまで接種してはいけない」と考える医学的な理由はありません。
むしろ2026年のように流行が早まっているシーズンでは、例年より早い時期から接種を検討することには合理性があります。
日本感染症学会も、過去のシーズンにおいて、ワクチンが使用可能となった時期には速やかに接種することが望ましいとの考え方を示しています。
インフルエンザワクチンは「流行する前」に
インフルエンザワクチンは、感染そのものを完全に防ぐワクチンではありません。
厚生労働省によると、現在のインフルエンザワクチンには発病を抑える効果が一定程度認められており、さらに重症化を防ぐ効果も期待されています。
特に、
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高齢者
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基礎疾患のある方
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妊娠中の方
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乳幼児
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医療・介護関係者
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高齢者や乳幼児と接する機会の多い方
などは、インフルエンザによる重症化や周囲への感染拡大を考慮して、ワクチン接種を検討することが重要です。
まとめ
インフルエンザワクチンについて、
「10月1日までは接種できない」
という全国共通のルールがあるわけではありません。
65歳以上の方などが対象となる定期接種については、自治体ごとに実施期間が定められているため、その期間に従う必要があります。
一方、それ以外の方が受ける任意接種については、ワクチンが供給され、医療機関が接種を開始していれば、9月中でも接種することができます。
そして2026/27シーズンは、東京都でも例年より早い時期からインフルエンザの流行が始まっています。
そのため今年は、
「10月まで待ってから接種する」のではなく、流行状況を踏まえて早めに接種を検討する
ことが重要です。
インフルエンザワクチンは、接種してすぐに十分な効果が得られるわけではありません。流行が始まる前、あるいは流行初期の段階で接種しておくことで、発病や重症化を抑えることが期待できます。
当院では2026/27シーズンのインフルエンザ流行状況を踏まえ、例年より早い時期からインフルエンザワクチンの接種を開始しています。
参考文献・情報源
- 厚生労働省.インフルエンザ.
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/index.html - 厚生労働省.インフルエンザQ&A.
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html - 東京都感染症情報センター.インフルエンザの流行状況(東京都 2026-2027年シーズン).
https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/flu/flu/ - 日本感染症学会.インフルエンザ関連情報.
https://www.kansensho.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=44