その「うつ病」、本当に男性更年期障害ではありませんか?|うつ・ED・テストステロンの深い関係
気分の落ち込みやED、その原因は一つではありません
「最近やる気が出ない」
「疲れが抜けない」
「性欲が落ちた」
「EDが続いている」
このような症状があると、
まず「うつ病ではないか」と考える方も多いでしょう。
もちろん本当にうつ病である場合もあります。
しかし実は、
男性更年期障害(LOH症候群)が原因となっているケースも少なくありません。
症状が非常によく似ているため、
男性更年期障害は「見逃されやすい病気」の一つとされています。
男性更年期障害(LOH症候群)とは?
男性更年期障害は、
加齢やストレス、肥満、睡眠不足などを背景に
テストステロン(男性ホルモン)が低下し、心身にさまざまな症状を引き起こす状態です。
代表的な症状として、
-
疲れやすい
-
やる気が出ない
-
気分が落ち込む
-
集中できない
-
性欲低下
-
ED(勃起障害)
-
筋力低下
-
睡眠障害
などがあります。
これらは、
うつ病とも非常によく似ています。
「うつ病」と診断された方の中にLOH症候群が隠れていることがあります
男性更年期障害では、
抑うつ症状が前面に出ることがあります。
実際、
男性更年期障害の診療ガイドラインでも、
抑うつ症状との鑑別が重要とされています。
逆に、
精神科でうつ病として治療されていても、
テストステロン低下が背景に存在する患者さんが一定数いることも報告されています。
もちろん、
すべてのうつ病が男性更年期障害というわけではありません。
だからこそ、
一度はテストステロンを測定してみる価値があります。
EDは男性更年期障害の代表的な症状です
テストステロンは、
勃起そのものよりも、
性欲(リビドー)や性機能全体に大きく関わっています。
テストステロンが低下すると、
-
性欲低下
-
朝立ちの減少
-
ED
などが起こりやすくなります。
一方で、
EDになること自体が、
自信の低下やストレスにつながり、
気分の落ち込みを悪化させることもあります。
つまり、
EDは身体だけでなく、
心にも影響を与える症状なのです。
うつ病の治療薬がEDの原因になることも
うつ病の治療で使われる
SSRIやSNRIなどの抗うつ薬は、
気分の改善には非常に有効な薬です。
一方で、
副作用として
-
性欲低下
-
射精障害
-
ED
などが起こることがあります。
そのため、
「うつ病だからEDになった」のではなく、
治療薬の影響が関係している場合もあります。
薬を自己判断で中止することは危険ですが、
症状が気になる場合は主治医へ相談することが大切です。
テストステロン・うつ・EDは悪循環をつくる
近年では、
これらは別々の病気ではなく、
互いに影響し合うと考えられています。
|
テストステロン低下 ↓ 疲労感・意欲低下・抑うつ症状 ↓ ED・睡眠の質の低下 ↓ 活動量の低下・肥満・ストレス増加 ↓ さらにテストステロンが低下する |
このような悪循環が起こることで、
症状が長引くことがあります。
男性更年期障害とうつ病は治療法が異なります
ここが非常に重要です。
男性更年期障害であれば、
-
睡眠改善
-
運動
-
減量
-
栄養管理
-
必要に応じたテストステロン補充療法(TRT)
が治療の中心になります。
一方、
うつ病では、
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精神療法
-
抗うつ薬
-
心理社会的支援
などが重要になります。
両方を合併している方も少なくないため、
どちらか一方だけではなく、
症状に応じて総合的に治療を行うことが大切です。
テストステロン補充療法(TRT)は気分改善にも効果が期待されます
テストステロンが低い男性では、
TRTによって
-
活力
-
性欲
-
気分
-
QOL(生活の質)
の改善が期待できます。
一方で、
うつ病そのものを治療する目的でTRTを行うことは推奨されていません。
あくまで、
テストステロン低下が確認され、
男性更年期障害と診断された場合の治療です。
このような方は一度ご相談ください
次のような症状が続いている場合は、
男性更年期障害が隠れている可能性があります。
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最近やる気が出ない
-
抗うつ薬を飲んでも改善しない
-
EDも気になる
-
性欲が低下している
-
筋力が落ちた
-
朝から疲れている
-
集中力が続かない
こうした症状がある場合は、
一度遊離テストステロンを含めたホルモン検査を受けることをおすすめします。抑うつ症状の背景にある亜鉛・ビタミンD・マグネシウムなどの栄養面についてはメンタルヘルスとテストステロン・亜鉛・ビタミンD・マグネシウムで解説しています。
検査で異常がなければ安心できますし、
原因が分かれば適切な治療につながります。
まとめ
男性更年期障害(LOH症候群)とうつ病は、
症状が非常によく似ています。
さらに、
EDや睡眠障害も加わることで、
テストステロン低下・抑うつ・性機能低下が悪循環を形成することがあります。
もちろん、
すべての抑うつ症状が男性更年期障害ではありません。
しかし、
「うつ病だけ」と決めつけず、一度テストステロンを測定することは、
原因を明らかにするための大切な一歩です。
気分の落ち込みやED、疲労感が続いている方は、
男性更年期障害という可能性も含めて、一度ご相談ください。
テストステロン全般についてはテストステロン総合ガイドで、基準値・原因・維持する方法・TRT・保険・PCTまでまとめて解説しています。
参考文献
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Montejo AL, et al. Management Strategies for Antidepressant-Related Sexual Dysfunction: A Clinical Approach. J Clin Med. 2019.

リーレクリニック大手町の内科のコラムです。