大手町の内科・男性更年期障害(テストステロン治療)専門クリニック
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テストステロンと食事

食事でテストステロンは変わる?|健康寿命を延ばす食パターンをエビデンスで比較

「何を食べるか」は、男性ホルモンにも健康寿命にも関係します

テストステロンを維持したい方から、

「何を食べれば男性ホルモンが増えますか?」

という質問をよくいただきます。

実は最近の研究では、

特定の食品よりも、「どのような食生活を続けているか(食パターン)」の方が重要であることが分かってきました。

今回は、健康寿命とテストステロンの両方の観点から、代表的な食パターンを比較してみましょう。

なお、食事はあくまで土台であり、疲労感や気力の低下などの症状が続く場合は▶ 男性更年期障害(LOH症候群)の症状・検査・治療についてもあわせてご確認ください。

脂質を極端に減らす食事(総エネルギーの20%未満など)や強いエネルギー不足はテストステロンを下げる傾向がある。適正な脂質とエネルギー、亜鉛やビタミンDなどの微量栄養素を満たすことが土台。特定の食品より全体のバランスが重要。
脂質やエネルギーを極端に削る食事はテストステロンを下げがちです。適正な脂質・エネルギーに、亜鉛やビタミンDなどを満たすバランスが土台になります。

地中海食|最もエビデンスが豊富な「健康長寿食」

現在、健康寿命を延ばす食事として最もエビデンスが豊富なのが地中海食です。

特徴は

  • オリーブオイル

  • 野菜

  • 果物

  • 豆類

  • ナッツ

  • 全粒穀物

を中心にした食事です。

数多くの研究で

  • 心血管疾患の減少

  • 糖尿病予防

  • 認知症リスク低下

  • 総死亡率低下

が報告されています。

テストステロンとの関係

地中海食を食べるだけでテストステロンが大きく上昇することは証明されていません。

しかし肥満や慢性炎症を改善することで、男性ホルモンが働きやすい環境を作る可能性が示唆されています。地中海食への移行は、精液所見やホルモン値の改善とも関連することが系統的レビューで報告されています。


和食|日本が誇る健康食

和食は

  • 大豆製品

  • 発酵食品

  • 海藻

  • 野菜

が多いことが特徴です。

塩分が多くなりやすい点には注意が必要ですが、適切な和食は世界的にも健康的な食事として評価されています。

特に

  • EPA・DHA

  • 食物繊維

  • 発酵食品

が豊富で、健康寿命との関連も多く報告されています。

男性ホルモンについて直接の研究は多くありませんが、体重管理や心血管リスク改善を通じて間接的なメリットが期待できます。


中華料理|選び方で大きく変わる

「中華料理」は一つの食事ではありません。

例えば、

  • 蒸し料理

  • 野菜炒め

  • 豆腐料理

  • 海鮮料理

が中心なら、

非常に健康的です。

一方、

  • 揚げ物

  • 甘いソース

  • 白米の大盛り

が中心になると、摂取エネルギーが多くなり肥満やインスリン抵抗性につながります。

つまり、中華料理は「何を選ぶか」が重要です。


フレンチ|意外と健康的な面も

「フレンチ=高カロリー」

というイメージがありますが、本来のフランス料理は

  • 野菜

  • 魚介類

  • オリーブオイル

  • 適量の肉

をバランス良く取り入れています。

コース料理は量が多く見えても、一皿ずつの量はそれほど多くありません。

一方でバターやクリームを多く使う料理では、エネルギー過多にならないよう注意が必要です。


ジャンクフード・ウエスタンダイエット|最も避けたい食パターン

現在、最もテストステロン低下との関連が強いと考えられているのが

ウエスタンダイエット

です。

特徴は

  • 超加工食品

  • ファストフード

  • 加糖飲料

  • 精製炭水化物

  • 加工肉

が多い食事です。

この食事パターンでは

  • 肥満

  • 慢性炎症

  • インスリン抵抗性

が進みやすく、結果としてテストステロン低下との関連が報告されています。肥満と男性更年期障害の関係について詳しくはこちらで解説しています。


ケトジェニックダイエット|減量目的なら有力な選択肢

糖質を大きく制限する

ケトジェニックダイエット

は、近年最も研究が進んでいる食事法の一つです。

特に肥満男性では

  • 体重減少

  • インスリン感受性改善

に伴い、テストステロンが改善した研究が複数報告されています。

ただし、長期間継続できるかは個人差があり、競技スポーツでは十分な糖質補給が必要な場面もあります。

「誰にでも最適」という食事ではありません。

個人的には、期間を区切っての一時的な減量として取り入れるのが良いと思います。


ローファットダイエット|極端な脂質制限には注意

脂質を控えることは、減量には役立つ場合があります。

しかし、極端なローファット食ではテストステロンがやや低下する可能性を示したメタアナリシスもあります。

テストステロンはコレステロールから作られるため、脂質を極端に制限する必要はありません。

オリーブオイル、ナッツ、青魚など、質の良い脂質を適度に摂ることが重要です。不飽和脂肪酸とテストステロンの関係についても参考にしてください。

ボディビル協議における減量中も、不飽和脂肪酸を20-40g摂ることをよく推奨されています。


高タンパク食|筋肉と健康の味方

十分なたんぱく質摂取は、筋肉量維持やサルコペニア予防に欠かせません。

筋肉量が維持されることで、基礎代謝が保たれ、体脂肪も増えにくくなります。

現在のところ、適切な高タンパク食そのものがテストステロンを上げるという明確な証拠はありません。

しかし筋トレや減量と組み合わせることで、男性ホルモンが働きやすい身体づくりに役立つと考えられます。


結局、どの食事が一番おすすめ?

現時点のエビデンスをまとめると、健康寿命という観点では地中海食と和食が最もおすすめです。

一方、肥満がありテストステロンが低下している方では、減量そのものがテストステロン改善に大きく寄与します。

そのためケトジェニックダイエットを含め、継続できる方法で減量できることが最も重要です。

食事法に「魔法」はありません。

共通しているのは、

  • 適正体重を維持する

  • 野菜を多く食べる

  • 良質なたんぱく質を摂る

  • 良質な脂質を選ぶ

  • 超加工食品を減らす

という基本です。


まとめ

テストステロンを維持するために、「この食品だけ食べればよい」というものはありません。

現在のエビデンスでは、健康寿命を延ばす食事を続けることが、結果として男性ホルモンにとっても良い環境を作ると考えられています。

食事は短期間のダイエットではなく、10年、20年と続けられる生活習慣です。

無理なく続けられる健康的な食事を選ぶことが、テストステロンだけでなく、将来の健康寿命にもつながるでしょう。テストステロンと健康寿命の関係についても、あわせてご覧ください。


参考文献

  1. Liu X, et al. Dietary Patterns and Testosterone Balance: A Review of Clinical Data and Perspectives. J Adv Res. 2025.

  2. Healy R, La Vignera S, Condorelli RA, et al. Dietary Interventions and Testosterone Levels in Obese Men: A Systematic Review Comparing the Mediterranean Diet, Ketogenic Diet, and Intermittent Fasting. Nutrients. 2026.

  3. Whittaker J, Wu K. Low-fat diets and testosterone in men: Systematic review and meta-analysis of intervention studies. J Steroid Biochem Mol Biol. 2021;210:105878.(PMID: 33741447)

  4. Salas-Huetos A, et al. Mediterranean Diet, Semen Quality, and Medically Assisted Reproductive Outcomes in the Male Population: A Systematic Review and Meta-analysis. Adv Nutr. 2025.(PMID: 40419219)

  5. The Mediterranean Diet as a Metabolic Strategy for Healthy Aging and Non-Communicable Disease Prevention. J Nutritional Physiology. 2026.

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