糖尿病とは|症状・診断・治療・生活習慣について
糖尿病とは、血糖値(血液中のブドウ糖)が慢性的に高くなる病気です。インスリンの分泌不足や作用の低下によって血糖値が上がり、その状態が長く続くと全身の血管が傷んでいきます。初期にはほとんど自覚症状がないため、健康診断で初めて指摘される方も多くいます。放置すると、心筋梗塞・脳卒中・慢性腎臓病(糖尿病性腎症)・網膜症・神経障害・足壊疽などの重い合併症につながるため、早期発見・早期治療が重要です。
大手町・丸の内・神田・東京駅周辺で糖尿病の診療をお考えの方へ
リーレクリニック大手町は、大手町駅 C2b出口直結・徒歩1分の内科クリニックです。平日は18:15まで診療しており、仕事帰りの受診にも対応しています。健康診断で血糖値・HbA1cを指摘された方の再検査、他院からの通院の切り替え、糖尿病予備群のご相談まで対応しています。
糖尿病とは
糖尿病そのものには症状がほとんどありませんが、放置すると動脈硬化が進行します。高血圧と似ていますが、糖尿病ではより細い血管も傷つきやすいのが特徴で、腎臓・網膜・神経に障害が出やすくなります。血糖値やHbA1cで診断し、生活習慣の改善と必要に応じた薬物療法で管理します。
糖尿病の種類
1型糖尿病
- 自己免疫などで膵臓のβ細胞が障害され、インスリン分泌が著しく低下する
- 多くの場合インスリン治療が必要
2型糖尿病
- 日本人の糖尿病の約90%以上
- 遺伝的体質・肥満・運動不足・加齢・食生活などが関与
その他
- 妊娠糖尿病
- 薬剤性(ステロイドなど)
- 膵炎・膵がんなどによる糖尿病
糖尿病の症状
初期は無症状の方がほとんどです。血糖値がかなり高くなると、次のような症状がみられます。
水をたくさん飲む
尿が多い
体重が減る
疲れやすい
傷が治りにくい
感染症にかかりやすい
健診で血糖値やHbA1cが高いと言われた方へ
次のいずれかを指摘された場合は、一度受診をおすすめします。糖尿病は、早い段階で治療を始めるほど将来の合併症を防ぐ効果が高いことが分かっています。
- 空腹時血糖 高値
- HbA1c 高値
- 尿糖 陽性
- 「糖尿病の疑い」と判定
「健診でHbA1c 6.5%以上、空腹時血糖 126mg/dL以上」だったら受診すべき?
はい。これらは糖尿病型に相当する数値です。健診は1回の採血のため、通常は別日にもう一度検査して診断を確定します。放置せず、早めにご相談ください。数値がこれより低くても、HbA1c 5.6〜6.4%や空腹時血糖 110〜125mg/dLは予備群として生活習慣の見直しが必要です。詳しくはHbA1cが高いと言われたら、健康診断で異常を指摘された方へもご覧ください。
糖尿病の診断基準
次のいずれかを満たす場合、糖尿病型と判定されます。
| 検査 | 糖尿病型の基準 |
|---|---|
| HbA1c | 6.5%以上 |
| 空腹時血糖 | 126mg/dL以上 |
| 75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)2時間値 | 200mg/dL以上 |
| 随時血糖 | 200mg/dL以上(口渇・多飲・多尿・体重減少などの典型症状がある場合) |
通常は別の日にもう一度検査を行い、診断を確定します。
糖尿病予備群(境界型)について
HbA1c 5.6〜6.4%や、経口ブドウ糖負荷試験で耐糖能異常(IGT)がある状態は「糖尿病予備群(境界型)」と呼ばれ、糖尿病へ進行するリスクが高い段階です。一方で、この段階で生活習慣を改善すると、糖尿病の発症を予防・先送りできる可能性が高いことが複数の研究で示されています。
- 体重を3〜7%減らす
- 週150分以上の運動を続ける
- 食物繊維を増やし、精製した糖質・甘い飲料を減らす
- 睡眠不足・睡眠時無呼吸症候群を改善する
「予備群」と言われた段階での受診は、将来の糖尿病・心血管疾患の予防にとても有効です。
当院で行う検査
必要に応じて次の検査を行い、糖尿病かどうか・合併症の有無・心血管リスクを総合的に評価します。
- HbA1c・空腹時血糖(必要時OGTT)
- 腎機能(eGFR)・尿検査・尿アルブミン
- 肝機能・脂質
- 血圧測定・心電図
血糖の変動を詳しく評価する必要がある場合には、持続血糖測定(CGM)による評価も選択肢になります。
糖尿病の治療
治療は食事療法・運動療法・薬物療法を組み合わせて行います。
食事療法
糖質を極端に制限するよりも、長く続けられる食生活が推奨されます。
- 適正なカロリー
- 野菜を十分にとる
- 食物繊維を増やす
- 精製した糖質・甘い飲料を減らす
地中海食やDASH食も、血糖の改善や心血管疾患の予防に有効とされています。
運動療法
週150分以上の中等度の有酸素運動に加え、週2〜3回以上の筋力トレーニングが推奨されます。筋肉量が増えるとインスリンの効きがよくなり、血糖が下がりやすくなります。
肥満の改善
体重を5〜10%減らすだけでも、HbA1c・血圧・脂質が改善し、糖尿病の進行予防につながります。
薬物療法
年齢・体格・腎機能・心疾患の有無などを考慮して薬を選びます。近年は、血糖を下げるだけでなく、心不全の予防・腎臓の保護・体重の減少まで考えて薬剤を選ぶことが推奨されています。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| メトホルミン(ビグアナイド薬) | 古くから使われ効果が安定。体重を増やしにくい。腎機能が低下している方は注意 |
| SGLT2阻害薬 | 尿から糖を出して血糖を下げる。体重減少・心不全予防・腎保護が期待できる。脱水・尿路感染に注意 |
| DPP-4阻害薬 | 低血糖を起こしにくく、体重に影響しにくい。飲み薬 |
| GLP-1受容体作動薬/GIP・GLP-1受容体作動薬 | 血糖低下作用が強く、食欲を抑え体重減少が期待できる。心血管・腎保護のデータもある。吐き気などの消化器症状が出ることがある |
| SU薬・グリニド薬 | インスリン分泌を促す。効果は強いが低血糖に注意 |
| αグルコシダーゼ阻害薬 | 食後の血糖上昇をゆるやかにする。腹部膨満感が出ることがある |
| インスリン | 1型糖尿病や、内服でコントロールできない場合に使用。血糖を測定しながら調整 |
合併症予防のためHbA1cを下げることは重要ですが、低血糖はその後の心血管イベントを増やすことも報告されています。低血糖を避けながら適正に血糖を下げるため、血糖測定が重要です。当院では、インスリン治療中の患者さんに血糖測定器の無料貸出を行っています。「インスリン治療中だが血糖を測っていない」「コントロールがうまくいかずHbA1cが高いまま」といったお悩みがありましたらご相談ください。
注意したい合併症
糖尿病では、三大合併症(網膜症・腎症・神経障害)に加えて、心筋梗塞・脳卒中・心不全・慢性腎臓病のリスクも高くなります。
- 糖尿病網膜症(進行すると視力低下・失明)
- 糖尿病腎症(進行すると透析が必要になることがある)
- 糖尿病神経障害(しびれ・感覚低下・足の潰瘍)
- 動脈硬化による心筋梗塞・脳卒中・心不全
そのため、血糖だけでなく血圧・コレステロール・禁煙まで含めた総合管理が重要です。なお、テストステロンの低下(男性更年期障害)は2型糖尿病・肥満と関連することが知られており、当院では必要に応じて男性更年期外来とあわせた評価も行えます。
テストステロンと血糖・体組成の関係については、テストステロンが低い男性は糖尿病も悪化しやすい?TRTで血糖値や脂肪は改善するのかでも詳しく解説しています。
初診時の流れ
健康診断の結果票、お薬手帳、これまでの血糖・HbA1cの記録があればお持ちください。
症状・生活習慣・家族歴・体重の変化などを確認します。
HbA1c・血糖などを測定します。一部の項目はその日のうちに結果が分かります。
診断・予備群の有無・合併症リスクを説明し、生活習慣の指導や、必要な場合の薬物療法についてご相談します。
HbA1cや体重の推移を確認しながら、目標に向けて治療を調整します。
よくある質問
Q. 糖尿病は治りますか?
A. 2型糖尿病では、生活習慣の改善や体重減少により薬を減量・中止できる方もいます。ただし体質は残るため、継続した管理が重要です。
Q. HbA1cは何%を目標にしますか?
A. 一般的にはHbA1c 7.0%未満が目標ですが、年齢や低血糖のリスク、合併症の状態に応じて個別に設定します。
Q. 「糖尿病予備群」と言われました。放置しても大丈夫ですか?
A. 予備群(HbA1c 5.6〜6.4%や耐糖能異常)は糖尿病へ進行するリスクがあります。一方で、この段階で生活習慣を改善すると発症を予防できる可能性が高いため、早めの受診をおすすめします。
Q. 健診でHbA1cが6.5%以上でした。すぐ薬が必要ですか?
A. 必ずしもすぐに薬が必要とは限りません。まず再検査で診断を確定し、生活習慣の改善から始めることも多いです。ただし血糖がかなり高い場合や症状がある場合は、早期から薬物療法を行います。
Q. 糖質制限はしたほうがいいですか?
A. 極端な糖質制限より、適正カロリーで食物繊維を増やし、甘い飲料や精製した糖質を減らす食事を長く続けることが推奨されます。地中海食やDASH食も有効です。
Q. インスリン治療中ですが血糖測定をしていません。相談できますか?
A. はい。当院ではインスリン治療中の患者さんに血糖測定器の無料貸出を行っています。コントロールがうまくいかない方もご相談ください。
Q. 若くても糖尿病になりますか?
A. なります。肥満・運動不足・家族歴などがあると若い年代でも2型糖尿病を発症します。健診で血糖やHbA1cを指摘されたら年齢にかかわらず受診してください。
当院の糖尿病診療
- 健康診断で指摘された異常の精査
- 初期の糖尿病・糖尿病予備群の診断
- HbA1cの管理・食事運動指導
- 内服・注射による薬物療法
- インスリン治療中の方への血糖測定器の無料貸出
- 高血圧・脂質異常症を含めた生活習慣病の管理
- 状態が安定している方のオンライン診療による定期処方
健康診断で血糖値やHbA1cの異常を指摘された方、糖尿病が心配な方はお気軽にご相談ください。
一般内科の診療内容・院内でできる検査・アクセスは大手町の内科(一般内科)のページをご覧ください。
参考文献
- American Diabetes Association. Diagnosis and Classification of Diabetes: Standards of Care in Diabetes—2025. Diabetes Care. 2025.(PMID: 39651986)
- 日本糖尿病学会. 糖尿病診療ガイドライン.
- 日本糖尿病学会. 2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム.