パプアニューギニアへの旅行・出張・赴任では、一般的な海外旅行よりも渡航前の感染症対策をしっかり準備しておくことが重要です。
特に、滞在地域や標高によってはマラリアの予防薬が必要になるほか、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、腸チフス、日本脳炎などの予防接種を検討します。
また、農村部や屋外で過ごす場合には、蚊だけでなく動物・昆虫、蛇などへの対策も重要です。
パプアニューギニアでは「どのワクチンを打つか」だけではなく、
- どの地域に行くのか
- 何日間滞在するのか
- 都市部だけか、地方・農村部にも行くのか
- ホテル滞在か、屋外活動・キャンプがあるか
- 仕事・赴任なのか観光なのか
によって必要な対策が変わります。
パプアニューギニアで検討する予防接種
A型肝炎
汚染された食品や水を介して感染するため、パプアニューギニアへの渡航では重要な予防接種の一つです。
特に、
- 長期滞在
- 地方・農村部への滞在
- 食事や衛生環境を選びにくい旅行
- 海外赴任
では積極的に検討します。
B型肝炎
血液・体液を介して感染するため、長期滞在や医療・介護などの業務、性的接触、事故・けがなどの可能性がある場合には検討します。
破傷風
屋外活動やけがの可能性がある旅行では、定期接種歴を確認し、必要に応じて追加接種を検討します。
腸チフス
衛生環境や食事・水への曝露が大きくなる旅行では検討します。
特に、
- 長期滞在
- 農村部
- 衛生環境が十分でない地域
- 現地での生活・赴任
では重要性が高くなります。
日本脳炎
滞在地域、期間、季節、屋外活動などによって検討します。
特に長期滞在や農村部での生活、屋外活動が多い場合は、蚊に刺される機会を減らす対策とあわせて検討します。
CDCも、流行地域で1か月以上滞在する場合や、農村部・ハイキング・キャンプなど蚊への曝露が増える活動を行う場合には日本脳炎ワクチンを検討しています。
パプアニューギニアではマラリア対策が重要
パプアニューギニアでは、標高2,000m未満の地域を中心にマラリア感染リスクがあります。
CDC Yellow Book 2026では、パプアニューギニアの2,000m未満の地域でマラリア予防薬を推奨しており、アトバコン・プログアニル、ドキシサイクリン、メフロキン、タフェノキンなどが選択肢となります。
そのため、パプアニューギニアへの渡航では、
- マラリア予防薬
- 虫よけ
- 長袖・長ズボン
- 蚊帳・網戸・空調の利用
などを組み合わせることが重要です。
マラリア予防薬は薬剤によって服用開始時期や帰国後の継続期間が異なるため、出発前に医師へ相談してください。
黄熱ワクチン・イエローカードについて
パプアニューギニア自体への渡航で黄熱ワクチンが一律に必要というわけではありません。
一方、黄熱リスク国から入国する場合などには、国際予防接種証明書(イエローカード)が必要となる場合があります。
乗り継ぎを含めた渡航ルートによって条件が変わる可能性があるため、渡航前には最新の公式情報を確認してください。
黄熱ワクチンは一般の医療機関で自由に接種できるものではなく、国内では指定された接種機関で実施されています。
パプアニューギニア旅行で注意したい感染症・健康リスク
蚊による感染症
マラリア、日本脳炎など、蚊が媒介する感染症があります。
食事・水
A型肝炎、腸チフス、旅行者下痢症などへの対策として、
- 生水を避ける
- 衛生状態の不明な食品を避ける
- 手洗いを行う
- 十分に加熱された食品を選ぶ
などを行います。
動物・蛇による咬傷
農村部では毒蛇による咬傷にも注意が必要です。
動物に不用意に近づかず、咬傷・掻傷が発生した場合には現地医療機関で速やかに相談してください。
企業の海外赴任・海外出張、ご家族での帯同を予定されている方は、以下もあわせてご確認ください。
パプアニューギニアへの渡航前に準備したいもの
- 予防接種歴
- 海外旅行保険
- 常用薬
- マラリア予防薬
- 虫よけ
- 解熱鎮痛薬などの常備薬
- 英文の診断書・薬剤証明書
- 緊急連絡先
長期赴任や地方滞在の場合は、都市部だけを訪れる旅行よりも余裕をもって渡航前相談を行うことを推奨します。
パプアニューギニアの予防接種はいつから準備する?
海外渡航用の予防接種には複数回接種が必要なものがあります。
FORTHでは、可能であれば出発3か月以上前から渡航先・期間・活動内容に応じた予防接種計画を相談することを勧めています。
直前の渡航でも相談できる場合がありますので、出発まで時間がない場合もご相談ください。
よくある質問
Q. パプアニューギニア旅行ではマラリア予防薬が必要ですか?
A. 滞在地域によっては必要です。特に標高2,000m未満の地域ではマラリア感染リスクがあり、予防薬を検討します。
Q. パプアニューギニアでは黄熱ワクチンが必要ですか?
A. 一律ではありません。特に黄熱リスク国から入国する場合など、渡航ルートによって国際予防接種証明書が必要になる場合があります。
Q. パプアニューギニアにはA型肝炎ワクチンを受けたほうがよいですか?
A. 渡航前に検討する代表的なワクチンの一つです。特に長期滞在や地方・農村部への滞在では重要性が高くなります。
Q. 出発直前でもワクチン接種できますか?
A. ワクチンによっては短期間でも開始できる場合があります。渡航日、過去の接種歴、滞在先を確認したうえで接種計画を立てます。
アナフィラキシー・ハチ刺傷への備え
渡航先では、ハチ・スズメバチなどの刺す昆虫や、食物・薬剤などによってアナフィラキシーが起こることがあります。パプアニューギニアでは毒蛇による咬傷のリスクが高く、農村部・森林地域では特に注意が必要です。
過去にハチ刺傷や食物・薬剤などでアナフィラキシーを起こしたことがある方、動物咬傷のリスクがある活動を予定している方は、渡航前にアドレナリン自己注射薬(エピペン)の携行について医師にご相談ください。動物に咬まれたり刺されたりした場合は、応急処置後、速やかに現地医療機関を受診してください。
詳しくは海外旅行のエピペン・アナフィラキシー対策をご覧ください。
参考情報
- 厚生労働省検疫所(FORTH)「海外渡航のためのワクチン」
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/useful_vaccination.html - CDC Yellow Book 2026「Yellow Fever Vaccine and Malaria Prevention Information, by Country」
https://www.cdc.gov/yellow-book/hcp/preparing-international-travelers/yellow-fever-vaccine-and-malaria-prevention-information-by-country.html - CDC Yellow Book 2026「The Pre-Travel Consultation」
https://www.cdc.gov/yellow-book/hcp/preparing-international-travelers/the-pre-travel-consultation.html - 厚生労働省検疫所(FORTH)「パプア・ニューギニア(PNG)」
https://www.forth.go.jp/destinations/country/png.html - CDC Travelers’ Health「Papua New Guinea」
https://wwwnc.cdc.gov/travel/destinations/traveler/none/Papua-New-Guinea
※渡航先の感染症リスク、予防接種の推奨、入国条件などは変更される場合があります。特に黄熱の国際予防接種証明書については、乗り継ぎ国を含む最新の渡航ルートを確認してください。本ページは一般的な情報であり、実際の予防接種・予防薬の必要性は、渡航先、滞在期間、活動内容、年齢、既往歴、予防接種歴などを確認したうえで医師が判断します。
情報確認日:2026年9月14日