アメリカは広大な国土を持ち、ニューヨーク、ロサンゼルス、ハワイなどの都市観光から、国立公園でのキャンプやハイキング、留学、海外赴任まで旅行形態が大きく異なります。
そのため、必要な予防接種も一律ではありません。
一般的な短期観光では、まず日本の定期予防接種が済んでいるか確認することが基本です。
一方、長期滞在、留学、海外赴任、アウトドア活動などでは、追加の予防接種や感染症対策を検討する場合があります。
アメリカ旅行でワクチンは必要?
一般的な短期の都市観光では、東南アジアなどと比べて追加の渡航ワクチンが多く必要になるわけではありません。
FORTHでは、米国への渡航前に日本の定期予防接種を済ませること、破傷風について確認することなどを案内しています。
ただし、
- 長期滞在
- 留学
- 海外赴任
- 医療・介護などの仕事
- 農村部での活動
- キャンプ・ハイキング
- 動物との接触
などでは個別に検討が必要です。
アメリカ旅行前に確認したいワクチン
破傷風
アウトドア活動や旅行中のけがに備えて、過去の接種歴を確認します。
A型肝炎
一般的な短期都市観光で一律に必要というわけではありませんが、旅行内容や滞在期間によって検討する場合があります。
B型肝炎
長期滞在や仕事内容などによって検討する場合があります。
狂犬病
一般的な都市観光では通常、渡航者全員に必要というものではありません。
一方、動物との接触が想定される場合や、医療機関へのアクセスが限られる地域への長期滞在などでは検討する場合があります。
麻しんなどの定期予防接種
海外旅行では、まず定期予防接種を最新の状態にしておくことが重要です。
WHOも国際旅行前の通常の予防接種状況の確認を勧めています。
アメリカの地域によって注意点が異なります
アメリカでは地域によって感染症リスクが異なります。
FORTHでは、
- ウエストナイル熱
- デング熱
- ライム病
- ロッキー山紅斑熱
- ダニ媒介性疾患
- 狂犬病
などについて地域や活動内容に応じた対策を案内しています。
特に森林・草原でのキャンプやハイキングでは、ダニや蚊への対策が重要です。
アメリカ留学ではワクチン要件に注意
旅行と留学では事情が大きく異なります。
米国では、学校への入学・編入時に州や学校によって予防接種などの要件が設定されていることがあります。
日本と米国では必要なワクチンの種類や回数が異なる場合があるため、留学先から予防接種記録や証明書を求められた場合には、早めに確認しましょう。
アメリカ赴任・長期滞在の場合
海外赴任では、短期観光とは異なり、
- 滞在期間
- 仕事内容
- 滞在地域
- 医療機関へのアクセス
- 家族帯同
- 現地での生活環境
などを踏まえて健康管理を考える必要があります。
企業の海外赴任・海外出張、ご家族での帯同を予定されている方は、以下もあわせてご確認ください。
ハイキング・アウトドア旅行ではハチ刺傷にも注意
国立公園でのハイキングやトレッキング、キャンプなどのアウトドア旅行を予定している場合は、蚊やダニだけでなく、ハチ・スズメバチなどによる刺傷にも注意が必要です。
特に、過去にハチやスズメバチなどに刺されて、全身のじんましん、息苦しさ、喉の違和感、血圧低下などのアナフィラキシーを起こしたことがある方は、海外旅行前に医師へ相談することをおすすめします。
こうした方では、渡航先での医療機関へのアクセスや旅行内容などを考慮し、アドレナリン自己注射薬(エピペン)の携行を検討します。
詳しくは海外旅行のエピペンをご覧ください。
海外旅行や海外赴任では、ハチ刺傷だけでなく、現地の食材や食品表示の違いによる食物アレルギー、薬剤アレルギーなどによってもアナフィラキシーが起こることがあります。特に海外赴任・長期滞在では、日常的に現地の食事を摂る機会が増えるため、食物アレルギーのある方は渡航前の備えがより重要になります。
また、地域によってはガラガラヘビなどの毒蛇や、南西部ではサソリとの遭遇にも注意が必要です。
CDCも、重度のアレルギーや刺す昆虫に対するアレルギーがある旅行者について、渡航前にアドレナリン自己注射薬の準備、使用方法の確認、アナフィラキシー時の対応計画を確認するよう推奨しています。
こんな旅行では事前に相談を
- 国立公園でのハイキング・トレッキング
- キャンプ・アウトドア旅行
- 山岳地帯でのアクティビティ
- 農村部や自然地域での長期滞在
- 医療機関へのアクセスが限られる地域への旅行
- 過去にハチ刺傷でアナフィラキシーを起こしたことがある方
エピペンが必要かどうかは、過去のアレルギー反応の内容、旅行先、活動内容、医療機関へのアクセスなどを踏まえて判断します。
また、海外では薬剤名や規格が異なることがあるため、処方を受けた場合には、旅行中もすぐ取り出せる場所に携行し、可能であれば処方内容を確認できる書類も一緒に持参することをおすすめします。CDCも、自己注射用エピネフリンを必要とする旅行者には、機内持ち込み手荷物などすぐアクセスできる場所での携行と、処方医による説明書類の携帯を勧めています。
アメリカ旅行前に確認したい入国手続き
日本国籍者がビザ免除プログラムを利用して90日以内の観光・商用目的で渡航する場合、ESTAの承認が必要です。
ESTAの申請料金は2025年9月30日以降変更されており、2026年現在は米国政府の公式情報で最新料金を確認する必要があります。
入国情報:2026年9月確認
ビザ・電子渡航認証・入国条件は変更される可能性があります。渡航前に必ず各国政府・EU等の公式情報をご確認ください。
入国条件・ESTA料金等は変更される可能性があります。必ず米国政府の公式情報をご確認ください。
アメリカ旅行まで時間がない場合
短期観光の場合は、まず定期予防接種歴を確認してください。
留学・長期滞在・海外赴任の場合は必要な準備が増えることがあるため、出発直前ではなく、できるだけ早めに確認することをおすすめします。
よくある質問
Q. アメリカ旅行にA型肝炎ワクチンは必要ですか?
A. 短期都市観光のすべての旅行者に必要というわけではありません。渡航内容や滞在期間などを考慮して検討します。
Q. アメリカ留学ではワクチンが必要ですか?
A. 州や学校によって入学・編入時の予防接種要件が異なる場合があります。留学先から提示された要件を確認してください。
Q. ハワイとアメリカ本土でワクチンは違いますか?
A. 基本的な考え方は共通しますが、滞在地域や旅行内容によって必要な対策が異なる場合があります。
参考文献・公式情報
- 厚生労働省検疫所(FORTH)「米国(本土)」
https://www.forth.go.jp/destinations/country/usa.html - 厚生労働省検疫所(FORTH)「海外渡航のためのワクチン」
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/useful_vaccination.html - WHO「Vaccines and travel」
https://www.who.int/travel-advice/vaccines - U.S. Department of State「Visa Waiver Program」
https://travel.state.gov/content/travel/en/us-visas/tourism-visit/visa-waiver-program.html - U.S. Customs and Border Protection「ESTA」
https://esta.cbp.dhs.gov/