スポーツパフォーマンスとテストステロン|競技力向上と「長くスポーツを楽しむ」ためのTRTという選択肢
テストステロンは筋肉だけのホルモンではありません
テストステロンというと、「筋肉を大きくするホルモン」というイメージを持つ方が多いかもしれません。
もちろん筋肥大にも重要ですが、実際にはそれだけではありません。
テストステロンは、
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筋力
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瞬発力
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回復力
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赤血球産生
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骨密度
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意欲
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集中力
など、多くの要素に関わっています。
つまりボディビルだけではなく、
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サッカー
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野球
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テニス
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ゴルフ
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ランニング
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格闘技
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HYROXやクロスフィット
など、ほぼすべてのスポーツに関係するホルモンです。テストステロン低下による症状が気になる方は▶ 男性更年期障害(LOH症候群)の症状・検査・治療もご確認ください。
テストステロンが競技力に与える影響
テストステロンが十分に保たれていると、筋肉が付きやすいだけではなく、
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高強度トレーニングを継続しやすい
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回復が早い
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疲労が残りにくい
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怪我からの回復をサポートする
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練習へのモチベーションを維持しやすい
といった間接的なメリットも期待できます。ケガからの回復とテストステロンの関係はスポーツ外傷とTRTで詳しく解説しています。
競技力は、「1回の試合」ではなく、
毎日の練習をどれだけ積み重ねられるか
で決まる部分が非常に大きいため、回復力や練習量は重要な要素です。
中年以降は「テストステロン低下」がパフォーマンスを左右する
40歳頃から、多くの男性ではテストステロンが徐々に低下していきます。
その結果、
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筋力低下
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疲労感
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回復力低下
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持久力低下
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集中力低下
などが現れることがあります。
「年齢だから仕方ない」
と思われがちですが、実際には男性更年期障害(LOH症候群)が隠れていることもあります。筋力低下の症状ページもご覧ください。
TRTで競技力は上がる?
男性ホルモンが不足している方では、テストステロン補充療法(TRT)によって、
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除脂肪体重
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筋力
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骨密度
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活力
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性機能
などの改善が期待できます。
重要なのは、TRTの目的は「健康な人を強くすること」ではなく、正常な状態へ戻すことである点です。
適応のある方では、トレーニングの質や回復力が改善し、結果として競技パフォーマンスの維持につながる可能性があります。筋力トレーニングやHIITとの関係は筋トレとテストステロンやHIIT・タバタ式トレーニングとテストステロンで解説しています。
「選手寿命」を延ばす可能性は?
現在、TRTによって競技寿命が延びることを直接証明した研究はありません。
しかしテストステロン低下が
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サルコペニア
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骨粗しょう症
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疲労
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回復力低下
に関係することはよく知られています。
そのため、適切なTRTによって、加齢に伴う身体機能低下を抑え、結果として長くスポーツを楽しめる可能性は十分考えられます。
現時点では、これは臨床経験や生理学的な推論を含む期待であり、今後の研究が待たれる分野です。テストステロンと健康寿命もあわせてご覧ください。
ストレングス&コンディショニング(S&C)の質にも影響
近年のスポーツでは、競技練習だけではなく、S&C(Strength & Conditioning)が重要視されています。
筋力トレーニングや有酸素トレーニングを十分に積めることが最終的な競技力につながります。
テストステロン不足を改善することで、
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トレーニング量
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回復速度
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練習の継続性
が改善し、その積み重ねが競技力向上につながる可能性があります。筋肉の「記憶」についてはマッスルメモリーとテストステロンで解説しています。
ドーピングとは明確に区別する必要があります
ここで非常に重要なのは、競技スポーツではテストステロンはドーピング禁止物質であることです。
世界アンチ・ドーピング機構(WADA)のルールでは、テストステロンは原則として禁止物質に指定されています。
また、加齢による男性更年期障害(LOH症候群)は、原則として治療使用特例(TUE)の対象にはなりません。
そのため、陸上競技、サッカー、ラグビー、格闘技、野球など、WADAルールを採用する競技では、TRTを行いながら公式大会へ出場することは基本的にできません。
一方で、先天性や手術後などの器質性性腺機能低下症では、厳格な条件を満たした場合にTUEが認められることがあります。
一般のスポーツ愛好家には選択肢の一つ
一方、健康維持や趣味としてスポーツを楽しむ方、あるいはドーピング規則の適用を受けないカテゴリーでは、医学的適応がある場合のTRTは十分検討できる治療です。
例えば、
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ゴルフ
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マラソン
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テニス
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トライアスロン
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ジムでのトレーニング
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HYROX
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登山
などを、「60代、70代になっても楽しみたい」という方も多いでしょう。
適切なホルモン管理は、筋肉や骨、活力を維持し、健康寿命とスポーツ寿命の両方を支える選択肢になる可能性があります。
当院でも、歩行困難となり杖歩行だった90代男性の方が、TRTにより筋力回復し大好きだったゴルフに復帰して階段を元気に上がれるようになりとても感謝されたことがあります。
仕事としてのプロスポーツ選手より、レクリエーションスポーツを楽しむ方のほうがTRTで長く続けられる恩恵があるかもしれません。
もちろん、睡眠・栄養・筋力トレーニング・有酸素運動が基本であり、TRTは適応がある方への医療として位置づけられます。
まとめ
テストステロンは、筋肉だけではなく、回復力や意欲、トレーニングの継続性にも関わるホルモンです。
適応のある男性更年期障害では、TRTによって身体機能や生活の質の改善が期待でき、結果としてスポーツを長く楽しめる可能性があります。
一方で、公式競技ではテストステロンはドーピング禁止物質であり、加齢による男性更年期障害を理由としたTRTは原則として認められていません。
競技レベルに関わらず、まずは睡眠・栄養・トレーニング・体重管理を整え、必要があれば採血でテストステロンを評価することが、長く健康にスポーツを楽しむ第一歩と言えるでしょう。
参考文献
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日本泌尿器科学会・日本メンズヘルス医学会. LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き. 2022.