大手町の内科・男性更年期障害(テストステロン治療)専門クリニック
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HIIT・タバタ式トレーニングとテストステロン

HIIT・タバタ式トレーニングでテストステロンは上がる?|短時間運動の効果をエビデンスで解説

忙しい人に人気の「HIIT」

「運動する時間がない」

「短時間で効率よく鍛えたい」

そんな方に近年人気なのが、

HIIT(High-Intensity Interval Training:高強度インターバルトレーニング)

です。

特に日本発祥のタバタ式トレーニングは世界中で知られており、わずか4分程度でも高い運動効果が期待できることから、多くのアスリートやフィットネス愛好家が取り入れています。

HIITは男性ホルモン(テストステロン)にも良い影響があるのでしょうか?

現在のエビデンスをまとめてみます。運動とテストステロン低下による症状が気になる方は▶ 男性更年期障害(LOH症候群)の症状・検査・治療もご確認ください。

運動の強度・頻度とホルモン反応は逆U字の関係。適度なHIITは成長ホルモンやテストステロンの一過性の上昇につながるが、強度や頻度が過剰で回復が不十分だとオーバートレーニング状態となり、コルチゾールが上がりテストステロンはむしろ低下する。
HIITは適度なら一過性にホルモン反応を高めますが、強度・頻度が過剰で回復不足だとオーバートレーニングとなり逆効果です。休養とセットで考えます。

HIITとは?

HIITとは、短時間の全力運動と短い休憩を繰り返すトレーニング方法です。

例えば

  • 全力ダッシュ20〜30秒

  • 休憩30〜90秒

を数回繰り返します。

最も有名なのがタバタプロトコルです。

これは

  • 20秒全力運動

  • 10秒休憩

を8セット、合計4分行う方法です。

立命館大学の田畑泉先生らの研究から世界中へ広まりました。


運動直後にはテストステロンが上昇する

HIITでは、運動直後に総テストステロン・遊離テストステロンが一時的に上昇することが報告されています。

この反応は

  • 筋力トレーニング

  • スプリント

  • HIIT

など、高強度運動ほど大きくなる傾向があります。

一方で、数十分〜1時間程度で元の値へ戻ることがほとんどです。

つまり、HIITを1回行っただけで恒常的にテストステロンが高くなるわけではありません。


長期的には「体脂肪減少」が大きなメリット

現在の研究では、HIITを数か月続けても、安静時テストステロンが大きく増えることは一貫して証明されていません。

しかし、HIITには

  • 内臓脂肪減少

  • インスリン感受性改善

  • 心肺機能向上

  • VO₂max改善

などの効果があります。

肥満では脂肪組織のアロマターゼによってテストステロンがエストラジオールへ変換されやすくなります。

そのため、脂肪を減らすこと自体が、男性ホルモンにとって大きなメリットになります。肥満と男性更年期障害の関係もあわせてご覧ください。


HIITはVO₂maxを効率よく高める

HIITの最大の特徴は、短時間でも

VO₂max(最大酸素摂取量)

を大きく改善できることです。

VO₂maxは心肺機能の指標であり、高い人ほど

  • 心血管疾患

  • 糖尿病

  • 死亡率

が低いことが知られています。

近年では、HIITは従来の有酸素運動より短時間で同等以上のVO₂max改善効果を示す研究も多く報告されています。有酸素運動全般とテストステロンの関係は有酸素運動でテストステロンは上がる?で解説しています。


タバタ式は「4分だから楽」ではありません

「4分だけなら簡単そう」

と思われる方も多いですが、本来のタバタプロトコルは最大努力に近い強度で行うことが前提です。

そのため初心者にはかなりきつい運動になります。

自己流で始めるより、まずはウォーキングやジョギングなどで運動習慣をつけてから取り入れる方が安全です。


筋トレとの組み合わせがおすすめ

HIITは筋トレの代わりではありません。

筋トレは

  • 筋肉量維持

  • 骨密度維持

  • テストステロンが働きやすい身体づくり

に優れています。

一方、HIITは

  • 心肺機能

  • 脂肪燃焼

  • 持久力

に優れています。

そのため、現在最もおすすめされるのは筋トレ+HIITの組み合わせです。筋トレとテストステロンについてはこちらをご覧ください。

例えば

  • 月・木:筋トレ

  • 火・金:HIIT

  • その他の日:ウォーキング

というような組み合わせでも十分効果が期待できます。


やりすぎは逆効果になることも

高強度運動は「多ければ多いほど良い」わけではありません。

十分な休養を取らずに毎日のように高強度運動を繰り返すと、

  • 疲労の蓄積

  • コルチゾール上昇

  • オーバートレーニング症候群

につながることがあります。

特に持久系アスリートでは、慢性的な過負荷によってテストステロンが低下する

Exercise-Hypogonadal Male Condition(EHMC)

という状態も報告されています。

運動は回復もトレーニングの一部ということを忘れないようにしましょう。


初心者ならどう始める?

HIITに興味がある方でも、最初からタバタ式を行う必要はありません。

例えば

  • 30秒早歩き

  • 60秒普通歩き

を10〜15分繰り返すだけでも立派なインターバルトレーニングです。

慣れてきたら

  • エアロバイク

  • ジョギング

  • 階段昇降

などで強度を上げていくとよいでしょう。

「息が弾むけれど、何とか続けられる」

くらいの強度から始めるのがおすすめです。


まとめ

HIITやタバタ式トレーニングは、短時間で心肺機能や代謝を効率よく改善できる優れた運動方法です。

現在のエビデンスでは、HIITによって運動直後のテストステロンは一時的に上昇しますが、安静時テストステロンを大きく増やすことは証明されていません。

一方で、

  • 脂肪燃焼

  • VO₂max向上

  • インスリン感受性改善

  • 心血管リスク低下

を通じて、男性ホルモンが働きやすい身体づくりに役立つ可能性があります。

筋トレ、有酸素運動、HIITは競合するものではありません。

それぞれの長所を組み合わせながら、無理なく継続できる運動習慣を作ることが、健康寿命と男性ホルモンの維持につながるでしょう。


参考文献

  1. Tabata I, et al. Effects of moderate-intensity endurance and high-intensity intermittent training on anaerobic capacity and VO₂max. Med Sci Sports Exerc. 1996;28(10):1327-1330.(PMID: 8897392)

  2. Weston KS, Wisløff U, Coombes JS. High-intensity interval training in patients with lifestyle-induced cardiometabolic disease: a systematic review and meta-analysis. Br J Sports Med. 2014.(PMID: 24144531)

  3. Hayes LD, et al. Exercise-induced responses in salivary testosterone, cortisol, and their ratios in men: a meta-analysis. Sports Med. 2015.

  4. D’Andrea S, Spaggiari G, Barbonetti A, Santi D. Endogenous transient doping: physical exercise acutely increases testosterone levels—results from a meta-analysis. J Endocrinol Invest. 2020.(PMID: 32297287)

  5. Hackney AC. Hypogonadism in Exercising Males: Dysfunction or Adaptive-Regulatory Adjustment? Front Endocrinol. 2020.

  6. American College of Sports Medicine. ACSM’s Guidelines for Exercise Testing and Prescription. 11th ed.

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