有酸素運動でテストステロンは上がる?|VO₂max・脂肪燃焼・男性ホルモンの関係を解説
筋トレだけではもったいない?
男性更年期障害(LOH症候群)やテストステロン低下が気になる方に、
「筋トレはしています。」
という方は多くいらっしゃいます。
もちろん筋力トレーニングは非常に重要ですが、
実は有酸素運動も、テストステロンを維持する上で重要な役割を果たすことが分かってきています。
近年は、筋トレとランニングを組み合わせたHYROX(ハイロックス)のような競技も人気ですが、その背景には「筋力」と「持久力」の両方を高めることの重要性があります。
今回は、有酸素運動とテストステロンの関係を最新のエビデンスからご紹介します。テストステロン低下による症状が気になる方は▶ 男性更年期障害(LOH症候群)の症状・検査・治療もご確認ください。
有酸素運動だけでテストステロンは大きく上がる?
結論から言うと、
健康な男性では、有酸素運動だけで安静時テストステロンが劇的に上昇することは証明されていません。
一方で、
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肥満
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メタボリックシンドローム
-
2型糖尿病
の男性では、有酸素運動によってテストステロンが改善する可能性が報告されています。
「テストステロンを直接上げる」というより、テストステロンが下がる原因を改善する運動と考えるのが現在のエビデンスに最も近いと言えるでしょう。
運動直後はテストステロンが一時的に上がる
運動中〜運動直後には、総テストステロン・遊離テストステロンともに一時的に上昇します。
この上昇は中〜高強度の運動で認められ、30〜60分ほどで元の値へ戻ることがほとんどです。
「運動を続けている人は、毎回この刺激を繰り返し受けている」
ということになります。
一番大きなメリットは「脂肪が減ること」
男性ホルモンにとって最も重要なのは体脂肪です。
脂肪組織には
アロマターゼ
という酵素があり、テストステロンをエストラジオール(女性ホルモン)へ変換します。
肥満になるほど、
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遊離テストステロン低下
-
エストロゲン増加
-
インスリン抵抗性
-
慢性炎症
が起こりやすくなります。
有酸素運動は脂肪燃焼を促進し、これらを改善することで男性ホルモンが働きやすい環境を整えることにつながります。肥満と男性更年期障害の関係についてはこちらで解説しています。
VO₂maxが高い人ほど健康寿命も長い
有酸素運動のもう一つの大きなメリットが
VO₂max(最大酸素摂取量)
です。
VO₂maxは「全身が酸素をどれだけ効率よく利用できるか」を示す指標で、心肺機能の通知表とも言われます。
VO₂maxが高い人ほど、
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心血管疾患
-
糖尿病
-
死亡率
が低いことは数多くの研究で示されています。
またVO₂maxが高いほど疲れにくく、日常生活でも活動量が増えやすくなります。
結果として体脂肪も減りやすくなり、男性ホルモンにとっても良い循環が生まれます。テストステロンと健康寿命の関係もあわせてご覧ください。
有酸素運動は筋トレの敵ではない
「有酸素運動をすると筋肉が落ちる」
と言われることがあります。
有酸素運動によりAMPK経路が活性化されると、(無酸素運動により筋肥大するのに重要な)mTOR経路が抑制される、といった話です。
確かに何時間も長距離ランニングを行えば筋肉量へ影響する可能性があります。
しかし一般的な健康目的では、週2〜4回20〜40分程度の有酸素運動で筋肉が大きく減ることはほとんどありません。
むしろ筋トレと組み合わせることで
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心肺機能向上
-
回復力向上
-
体脂肪減少
などのメリットが得られます。筋トレとテストステロンの関係についてはこちらをご覧ください。
HYROXが人気なのも納得
近年世界中で人気が高まっているのがHYROX(ハイロックス)です。
HYROXはランニングと筋力系種目を交互に行う競技で、筋力だけでも持久力だけでも完走できません。
つまり、
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レジスタンストレーニング
-
有酸素運動
-
インターバルトレーニング
を自然に組み合わせた競技と言えます。
実際このような複合的な運動は、筋力と心肺機能を同時に高められるため、
健康維持という観点からも非常に理にかなっています。
競技に参加しなくても
「筋トレ+ウォーキングやジョギング」を組み合わせるだけでも、HYROXのようなメリットを日常生活に取り入れることができます。
短時間で心肺機能を高めたい方はHIIT・タバタ式トレーニングとテストステロンもご覧ください。
運動初心者には何がおすすめ?
これまで運動習慣がなかった方なら、最初からランニングを始める必要はありません。
おすすめは
毎日20〜30分の速歩(やや息が弾む程度)
です。
慣れてきたら
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エアロバイク
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ジョギング
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水泳
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階段昇降
などを週2〜3回追加すると良いでしょう。
目標としては、厚生労働省やWHOも推奨している週150〜300分の中等度有酸素運動を目指すのがおすすめです。
筋トレをしている人こそ有酸素運動を
筋トレだけ続けている方も、週2〜3回の有酸素運動を加えることで
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VO₂max向上
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回復力向上
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脂肪燃焼
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心血管リスク低下
-
男性ホルモンが働きやすい体づくり
など、多くのメリットが期待できます。
「筋トレの日は最後に20分歩く」
「休日は30分散歩する」
そんな小さな習慣でも十分です。
まとめ
有酸素運動だけでテストステロンが劇的に上がることは証明されていません。
しかし、
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脂肪燃焼
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VO₂max向上
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インスリン感受性改善
-
心肺機能改善
-
慢性炎症の抑制
を通じて、
男性ホルモンが働きやすい身体づくりに大きく貢献します。
筋トレと有酸素運動は、どちらか一方ではなく「両方行う」のが理想です。
運動習慣のない方は、まずは毎日のウォーキングから。
筋トレをしている方は、週2〜3回の有酸素運動を加えることで、より健康的で活動的な身体を目指してみてはいかがでしょうか。睡眠とテストステロンもあわせて意識すると効果的です。
参考文献
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Hayes LD, Elliott BT. Short-Term Exercise Training Inconsistently Influences Basal Testosterone in Older Men: A Systematic Review and Meta-analysis. Front Physiol. 2018.
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Healy R, et al. The Effects of Aerobic Exercise Training on Testosterone Concentration in Individuals Who are Obese or Have Type 2 Diabetes: A Systematic Review and Meta-analysis. Sports Med Open. 2024.
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Hooper DR, Kraemer WJ, et al. Endocrinological Roles for Testosterone in Resistance Exercise Responses and Adaptations. Sports Med. 2017.