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プロスタンディン注射の効果

プロスタグランジンE1(PGE1)海綿体自己注射とは?|EDに対する高い有効性と適応について

ED治療には飲み薬だけではありません

ED(勃起不全)の治療というと、

  • バイアグラ®(シルデナフィル)
  • シアリス®(タダラフィル)
  • レビトラ®(バルデナフィル)

などのPDE5阻害薬を思い浮かべる方が多いでしょう。

これらは現在でもED治療の第一選択薬です。

しかし、

  • 飲み薬が効かない
  • 副作用で内服できない
  • 神経障害や重度の血管障害がある

といった場合には、別の治療法が選択されます。

その代表的なものが**プロスタグランジンE1(PGE1:アルプロスタジル)による海綿体自己注射(Intracavernosal Injection:ICI)**です。

海外の泌尿器科ガイドラインでは、PDE5阻害薬に次ぐ第二選択治療として確立された治療法となっています。


プロスタグランジンE1とは?

プロスタグランジンE1(アルプロスタジル)は、陰茎海綿体の平滑筋を直接弛緩させ、血流を増加させる薬です。

通常の勃起は、

性的刺激

一酸化窒素(NO)の放出

cGMP増加

血管拡張

という流れで起こります。

一方、PGE1はNOや性的刺激に依存せず、直接海綿体の血管を拡張するため、重症のEDでも効果が期待できます。


飲み薬との違い

PDE5阻害薬は、「勃起しやすい状態」を作る薬です。

そのため、

性的刺激がなければ十分な勃起は起こりません。

一方、

PGE1海綿体注射では、

海綿体へ直接薬剤を注入するため、

性的刺激が少なくても十分な勃起が得られることがあります。

そのため、

  • 糖尿病
  • 前立腺全摘術後
  • 脊髄損傷
  • 重度の血管性ED

などでも高い有効性が報告されています。


効果はどのくらいある?

PGE1海綿体注射は、

現在利用できる非手術治療の中でも最も効果が高い治療法の一つです。

海外ガイドラインでは、

70~87%以上の患者さんで十分な勃起が得られる

と報告されています。

また、歴史的な大規模試験では、

  • 約94%の注射で性交が可能
  • 患者満足度 約87%
  • パートナー満足度 約86%

という非常に良好な結果が報告されています。


どんな方に向いている?

特に適応となるのは、

PDE5阻害薬が効かなかった方

もっとも多い適応です。

糖尿病や重度の血管障害では、

飲み薬だけでは十分な効果が得られないことがあります。


前立腺がん手術後

前立腺全摘術後では、

勃起神経が障害されることがあります。

そのような場合でも、

PGE1は直接海綿体へ作用するため、

有効な選択肢となります。


糖尿病によるED

糖尿病では、

神経障害と血管障害が同時に起こるため、

EDが重症化しやすくなります。

PGE1はそのような患者さんでも比較的高い効果が期待できます。


PDE5阻害薬を使用できない方

硝酸薬(ニトログリセリンなど)を服用している方では、

PDE5阻害薬は使用できません。

このような場合にも、

海綿体注射は有力な選択肢になります。


自分で注射するの?

多くの患者さんが最初に心配される点です。

実際には、

極めて細い針を使用するため、

「思っていたより痛くない」

と感じる方が少なくありません。

ただし、

自己注射は必ず医療機関で十分な指導を受け、

適切な部位・用量・手技を習得したうえで行う必要があります。

ガイドラインでも、初回は医療機関で試験注射と手技指導を行うことが推奨されています。


副作用は?

高い効果がある一方で、

注意すべき副作用もあります。

陰茎痛

最も多い副作用です。

ただし、

多くは軽度で、

継続使用により軽減することもあります。


持続勃起(プリアピズム)

勃起が長時間持続し、

4時間以上改善しない場合は緊急受診が必要です。

発生頻度は約1%前後と報告されています。


海綿体線維化

同じ部位へ繰り返し注射すると、

しこりや線維化を起こすことがあります。

そのため、

左右交互に注射部位を変更することが推奨されています。


出血・皮下血腫

細い針を使用しますが、

皮下出血が起こることがあります。

正しい手技を身につけることでリスクは低減できます。


なぜこれほど効果が高いのに普及していないの?

理由はいくつかあります。

  • 自己注射への心理的抵抗
  • 通院による手技指導が必要
  • 持続勃起への不安
  • 飲み薬の利便性が高い

このため、

非常に有効な治療であるにもかかわらず、

途中で治療を中止してしまう方も少なくありません。

海外では、継続率を高めるためには、十分な説明とフォローアップが重要とされています。


TRTとの併用は?

男性更年期障害(LOH症候群)でテストステロン低下がある場合には、

TRT(テストステロン補充療法)によって、

性欲やPDE5阻害薬への反応性が改善することがあります。

一方、

重度の器質性EDでは、

TRTだけでは十分な勃起機能が回復しないこともあります。

そのような場合には、

  • TRT
  • PDE5阻害薬
  • PGE1海綿体注射

を患者さんの状態に合わせて組み合わせることもあります。


まとめ

プロスタグランジンE1(アルプロスタジル)による海綿体自己注射は、

現在利用できるED治療の中でも最も高い有効性を持つ治療法の一つです。

特に、

  • PDE5阻害薬が効かない
  • 糖尿病によるED
  • 前立腺がん術後
  • 神経障害性ED
  • PDE5阻害薬が使用できない

といった患者さんでは、有力な選択肢となります。

一方で、

自己注射という治療法である以上、

適切な手技指導と副作用への理解が欠かせません。

ED治療は「飲み薬が効かなければ終わり」ではありません。

患者さんの原因や重症度に応じて、内服薬、TRT、海綿体注射、陰圧式勃起補助具、陰茎プロステーシスなど、さまざまな治療法があります。

飲み薬で十分な効果が得られない場合でも、あきらめずに専門医へ相談することで、新たな治療の選択肢が見つかるかもしれません。

男性更年期障害の症状や保険診療については、男性更年期障害の総合ページをご覧ください。

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