ペニスは年齢とともに小さくなる?|テストステロンと陰茎サイズ・硬さの関係を解説
「若い頃より小さくなった気がする」は気のせいでしょうか?
外来で意外と多いご相談の一つが、
「以前よりペニスが小さくなった気がする」
というものです。
実際には加齢とともにそのように感じる方は少なくありません。
では本当に陰茎は小さくなるのでしょうか?
また、テストステロン補充療法(TRT)で改善できるのでしょうか?
今回は現在のエビデンスをもとに解説します。関連する症状が続く方は▶ 男性更年期障害(LOH症候群)の症状・検査・治療もご確認ください。
成人になってからテストステロンでペニスが大きくなることはありません
まず知っていただきたいのは、
成人男性では、テストステロンを補充しても陰茎そのものの長さが大きくなることは基本的にありません。
陰茎の発達は、胎児期と思春期に分泌される
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テストステロン
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ジヒドロテストステロン(DHT)
によってほぼ完成します。
そのため、正常に思春期を迎えた成人では、TRTによって新たに陰茎が成長することは期待できません。
一方、「以前より小さく見える」「張りがなくなった」と感じる原因は、別のところにあることが多いのです。
なぜ年齢とともに小さく感じるのでしょうか?
主な理由として考えられるのは、
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勃起の硬さの低下
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海綿体への血流低下
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下腹部の脂肪増加
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加齢による組織の変化
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テストステロン低下
などです。
つまり、陰茎そのものが極端に縮むというより、血流や見え方の変化によって小さく感じるケースが多いと考えられています。
「埋没陰茎」で短く見えることも
体重が増えて下腹部に脂肪がつくと、陰茎の根元が脂肪に埋もれ、外から見える長さが短くなります。
これを
埋没陰茎(buried penis)
と呼びます。
実際には陰茎の長さは変わっていなくても数cm短く見えることもあります。
減量によって見た目の長さが改善する方も少なくありません。肥満と男性更年期障害の関係もあわせてご覧ください。
テストステロンが低下すると「硬さ」は低下しやすい
テストステロンは陰茎そのものの長さではなく、勃起機能を維持するうえで重要な役割を担っています。
例えば、テストステロンは
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一酸化窒素(NO)の産生
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PDE5の発現
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海綿体平滑筋の維持
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血管内皮機能
などに関与しています。
そのため、男性更年期障害(LOH症候群)では、
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朝立ちが減る
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勃起時の硬さが低下する
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勃起を維持しにくくなる
といった症状が現れることがあります。
十分に硬く勃起しないと、以前より「短くなった」と感じる原因になります。朝立ちは健康のバロメーター?や男性更年期の症状としてのEDもご参照ください。
TRTで陰茎の大きさは変わる?
現在のエビデンスでは、
成人男性においてTRTで陰茎の長さが大きくなることは証明されていません。
しかし、テストステロンが不足している男性では、TRTによって
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性欲改善
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勃起の硬さ改善
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朝立ちの回復
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海綿体血流の改善
が期待できます。
その結果、
「以前のような張りが戻った」「大きく見えるようになった」
と感じる方は少なくありません。
これは陰茎が新たに成長したというより、本来の勃起機能が回復した結果と考えられます。
海綿体は「使わない」と硬くなりにくくなる可能性
海綿体は筋肉ではありませんが、血液が流れ込むことで酸素が供給され組織が健康な状態に保たれています。
長期間、
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ED
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朝立ちの消失
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勃起がほとんど起こらない状態
が続くと、海綿体の平滑筋が減少し、線維化(硬くなる変化)が進む可能性が報告されています。
このため現在では勃起機能を保つことは、性生活だけでなく陰茎組織の健康維持という観点からも重要と考えられています。
デイリータダラフィルが役立つことも
毎日少量のタダラフィル(デイリータダラフィル)は、PDE5を持続的に阻害することで陰茎への血流を改善します。
研究では、
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勃起機能改善
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血管内皮機能改善
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海綿体酸素化の改善
などが報告されています。
TRTが「ホルモン」を整える治療だとすれば、デイリータダラフィルは
陰茎の血流環境を整える治療
と言えるでしょう。
両者は作用機序が異なるため、必要に応じて併用されることもあります。デイリータダラフィル(Daily Tadalafil)についてで詳しく解説しています。
重度のEDでは海綿体注射という選択肢も
糖尿病や前立腺手術後など、内服薬だけでは十分な効果が得られない場合には、
プロスタグランジンE1(アルプロスタジル)の海綿体注射という治療法があります。
海綿体へ直接作用して血管を拡張するため、高い勃起改善効果が期待できます。
適切な勃起を維持することは、性生活だけでなく、海綿体組織の健康維持にもつながる可能性があります。プロスタンディン注射の効果もご参照ください。
大きさを保つためにできること
陰茎の健康を維持するためには、
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適正体重を維持する
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禁煙
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有酸素運動
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筋力トレーニング
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十分な睡眠
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糖尿病・高血圧の管理
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テストステロン不足があれば適切に治療する
といった生活習慣が重要です。
また、朝立ちが減ったり勃起の硬さが低下してきた場合には、年齢のせいと決めつけず一度テストステロンを含めた評価を受けることをおすすめします。ED(勃起障害)の診療についてはこちらをご覧ください。
まとめ
成人男性では、TRTによって陰茎そのものが大きくなることは期待できません。
一方で、テストステロン低下によって生じる
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勃起の硬さ低下
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朝立ちの減少
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海綿体血流の低下
が改善することで、本来のサイズや張りを取り戻したように感じる可能性はあります。
さらに、デイリータダラフィルや必要に応じたプロスタグランジンE1海綿体注射を組み合わせることで、勃起機能や陰茎組織の健康維持が期待できます。
「年齢だから仕方ない」と諦める前に、原因を評価し、ご自身に合った治療法を選択することが大切です。
参考文献
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