筋トレとテストステロンで骨を守る|骨粗しょう症・サルコペニアを予防して健康寿命を延ばすために
骨は「年齢とともに弱くなる」のが当たり前ではありません
年齢を重ねると、
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筋力が落ちる
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骨がもろくなる
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転びやすくなる
という変化が起こります。
これらは別々の問題ではなく、「筋肉」と「骨」が同時に衰えていく現象です。
近年では、
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骨粗しょう症(Osteoporosis)
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サルコペニア(Sarcopenia)
を合わせて
オステオサルコペニア(Osteosarcopenia)
という概念も提唱されています。
実はウェイトトレーニングと適切なテストステロンは、この両方を予防できる可能性があります。テストステロン低下による症状が気になる方は▶ 男性更年期障害(LOH症候群)の症状・検査・治療もあわせてご確認ください。
骨は運動で強くなる臓器
骨は一度できたら変わらないものではありません。
骨には
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壊す(破骨細胞)
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作る(骨芽細胞)
というリモデリングが一生続いています。
ここで重要なのが
荷重(Mechanical loading)
です。
スクワットやデッドリフトのようなウェイトトレーニングでは、骨に適度な刺激が加わり骨芽細胞が活性化します。
つまり筋肉を鍛えることは、同時に骨も鍛えているということです。筋力トレーニングとテストステロンの関係は筋トレとテストステロンで解説しています。
筋トレは骨密度を改善する
現在では、多くのメタアナリシスで、高負荷レジスタンストレーニングは骨密度(BMD)を改善することが示されています。
特に改善しやすい部位は
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腰椎
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大腿骨近位部(股関節)
です。
これらは高齢者で骨折すると寝たきりにつながりやすい重要な部位でもあります。
一方でウォーキングだけでは骨密度の改善効果は比較的小さく、骨を守る目的ではウェイトトレーニングを組み合わせることが重要と考えられています。有酸素運動とテストステロンの関係は有酸素運動とテストステロンもご参照ください。
テストステロンも骨を守っている
男性ホルモンは、筋肉だけではなく骨にも重要です。
テストステロン不足では、
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骨形成低下
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骨吸収亢進
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骨密度低下
が起こります。
男性更年期障害(LOH症候群)の患者さんで骨粗しょう症が見つかることも珍しくありません。男性更年期の検査についてもご覧ください。
さらに転倒した際に骨折しやすくなることも問題です。
TRTは骨密度改善も期待できる
テストステロン補充療法(TRT)は筋力や活力だけではなく、骨密度改善も期待されています。
ランダム化比較試験や長期研究ではTRTによって
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腰椎骨密度
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股関節骨密度
が改善したことが報告されています。
ただし「骨折が減る」とまではまだ十分なエビデンスはありません。
それでもガイドラインでは低テストステロン男性では骨粗しょう症予防の観点からもTRTが期待できるとされています。保険診療でのTRTの条件は男性更年期障害の保険適用をご覧ください。
筋肉と骨はセットで衰える
筋肉が減ると、骨への刺激も減ります。
逆に骨が弱くなると、痛みや骨折によって運動量が減ります。
この悪循環が
オステオサルコペニア
です。
近年では筋肉から分泌される
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Myonectin
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Irisin
などのマイオカインが骨代謝にも良い影響を与える可能性が研究されています。
つまり筋肉と骨は互いに情報をやり取りする「臓器同士」だと考えられるようになっています。
将来の健康寿命にも関係する
骨粗しょう症で最も怖いのは骨折そのものではありません。
例えば大腿骨近位部骨折では、その後に
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要介護
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寝たきり
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認知機能低下
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死亡率上昇
につながることがあります。
つまり骨密度を維持することは「転ばない身体」を作ることでもあり、健康寿命を延ばすために重要な要素です。テストステロンと健康寿命もあわせてご覧ください。
40代から始めても遅くありません
「骨粗しょう症は女性の病気」
と思われがちですが、男性でも加齢や男性ホルモン低下によって発症します。
特に
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運動不足
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肥満
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喫煙
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過度の飲酒
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男性更年期障害
がある方は注意が必要です。
筋肉も骨も、若い頃ほど反応は大きくありませんが、何歳から始めても改善する可能性があります。ブランクがあっても戻りやすい仕組みはマッスルメモリーとテストステロンで解説しています。
当院からのメッセージ
筋トレというと、
「見た目を良くするもの」
「一部のスポーツ選手がやるもの」
というイメージがあるかもしれません。
しかし医学的には筋トレは
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筋肉
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骨
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バランス能力
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転倒予防
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健康寿命
まで改善する可能性がある、数少ないエビデンスの豊富な介入です。
さらに男性更年期障害でテストステロンが低下している方では、TRTを組み合わせることで筋肉や骨の健康をより維持しやすくなる可能性があります。
10年後、20年後も自分の足で歩き、スポーツや旅行を楽しむために。
筋トレと適切なホルモン管理は、そのための大切な「未来への投資」と言えるでしょう。
参考文献
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Kitsuda Y, et al. Impact of high-load resistance training on bone mineral density in osteoporosis and osteopenia: a meta-analysis. J Bone Miner Metab. 2021.(PMID: 33851269)
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Hu K, Cassimatis M, Girgis C. Exercise and Musculoskeletal Health in Men With Low Bone Mineral Density: A Systematic Review. Arch Rehabil Res Clin Transl. 2024.(PMID: 38482104)
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Hong AR, Kim SW. Effects of Resistance Exercise on Bone Health. Endocrinol Metab (Seoul). 2018.(PMID: 30513557)
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Bhasin S, et al. Testosterone Therapy in Men With Hypogonadism: An Endocrine Society Clinical Practice Guideline. J Clin Endocrinol Metab. 2018.(PMID: 29562364)
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Snyder PJ, et al. Effects of Testosterone Treatment in Older Men. N Engl J Med. 2016.(PMID: 26886521)
-
日本骨粗鬆症学会. 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(最新版).
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日本サルコペニア・フレイル学会. サルコペニア診療ガイドライン(最新版).