テストステロンが高いと仕事で成功する?|仕事のパフォーマンス・年収・リーダーシップとの関係をエビデンスで解説
「仕事ができる人はテストステロンが高い」は本当でしょうか?
「テストステロンが高い人ほど出世する」
「経営者は男性ホルモンが高い」
このような話を耳にしたことがある方もいるかもしれません。
確かにテストステロンは、
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筋肉
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性機能
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活力
だけでなく、
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意欲
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決断力
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行動力
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チャレンジ精神
にも関わるホルモンです。
しかし、
現在のエビデンスでは、
「テストステロンが高いほど出世する」という単純な話ではありません。
今回は、仕事のパフォーマンスとテストステロンの関係についてご紹介します。仕事の意欲や集中力の低下が続く場合は▶ 男性更年期障害(LOH症候群)の症状・検査・治療もご確認ください。
テストステロンは「やる気」に関わるホルモン
テストステロンは脳にも作用し、
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ドーパミン
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報酬系
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モチベーション
に影響します。
そのため、
テストステロンが低下すると、
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朝起きるのがつらい
-
仕事への意欲が出ない
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集中できない
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判断力が落ちた気がする
といった症状が現れることがあります。
これは男性更年期障害(LOH症候群)でもよくみられる症状です。集中力低下・意欲低下の症状ページもあわせてご覧ください。
テストステロンが低いと仕事の生産性は低下しやすい
LOH症候群の患者さんでは、
抑うつだけでなく、
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集中力低下
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疲労感
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認知機能低下
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プレゼンティーイズム(出勤していても十分な能力を発揮できない状態)
が多いことが報告されています。
実際、
テストステロン補充療法(TRT)によって、
活力や集中力、仕事のパフォーマンスが改善したとする研究もあります。
ただし、
これはテストステロンが不足している男性での話です。
正常値の男性にテストステロンを補充して仕事の能力が向上することは証明されていません。抑うつ症状との関係は男性更年期障害を見逃されやすい疾患もご参照ください。
リーダーシップとの関係は?
興味深いことに、
テストステロンは
「攻撃性のホルモン」
ではなく、
近年では
社会的地位を維持・獲得するホルモン
として考えられるようになっています。
例えば、
スポーツやビジネスなどの競争場面では、
勝利後にテストステロンが一時的に上昇することがあります。
これは
Winner Effect(勝者効果)
と呼ばれています。
一方、
負けた場合には低下することもあります。
つまり、
成功したからテストステロンが上がる
という側面もあるのです。
「高いほど成功する」わけではない
以前は、
「テストステロンが高い人ほどリーダーになる」
と考えられていました。
しかし近年の研究では、
優れたリーダーに必要なのは
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共感力
-
判断力
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協調性
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感情コントロール
であり、テストステロンだけでは説明できません。
むしろテストステロンとストレスホルモンであるコルチゾールのバランスの方が重要ではないかと考えられています。
いわゆる
Dual Hormone Hypothesis(デュアルホルモン仮説)
ではテストステロンが高くても慢性的にコルチゾールが高い状態では、リーダーシップや積極性は十分に発揮されにくい可能性があります。コルチゾール測定の意義についてはコルチゾールは測るべき?で解説しています。
テストステロンは「挑戦する気持ち」を支える
テストステロンは脳の報酬系を介して
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新しいことへ挑戦する
-
困難に立ち向かう
-
リスクを評価する
ことにも関与しています。
もちろん無謀なリスクを取ることを推奨するホルモンではありません。
適切なテストステロンは、「前向きに行動するエネルギー」を支えていると考えられています。
良い仕事は良い生活習慣から
興味深いことに、仕事のパフォーマンスを高める方法とテストステロンを維持する方法はほとんど同じです。
例えば、
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7〜9時間の睡眠
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筋力トレーニング
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有酸素運動
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適正体重の維持
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地中海食や和食などの健康的な食事
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過度な飲酒を避ける
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睡眠時無呼吸症候群の治療
これらは、仕事の集中力や認知機能の改善にもつながることが知られています。
つまり仕事のパフォーマンスを高める生活習慣は、テストステロンを守る生活習慣でもあるのです。具体的なポイントはテストステロンを上昇させる生活習慣や睡眠時無呼吸症候群(SAS)とテストステロンの関係で解説しています。
「最近仕事がつらい」は男性更年期障害かもしれません
仕事のパフォーマンス低下を
「年齢のせい」
「気合いが足りない」
と考えてしまう方も少なくありません。
しかし、40〜60代では、男性更年期障害(LOH症候群)が隠れていることもあります。
特に、
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やる気が出ない
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疲れやすい
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集中できない
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性欲低下
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ED
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筋力低下
などを伴う場合は、一度ホルモン検査を受ける価値があります。
まとめ
テストステロンは、仕事のパフォーマンスや意欲、集中力と深く関係するホルモンです。
現在のエビデンスでは、テストステロンが低い男性では、仕事の生産性や活力が低下しやすく、適応があればTRTによって改善する可能性が示されています。
一方で、正常な男性がテストステロンをさらに高くしても、出世や年収、仕事の成功が保証されるわけではありません。
仕事で最高のパフォーマンスを発揮するためには、ホルモンだけではなく、睡眠・運動・栄養・ストレス管理を含めた生活習慣全体を整えることが何より重要です。
「最近、仕事の効率が落ちた」「以前のような活力がない」と感じる方は、年齢のせいと決めつけず、一度テストステロンを含めた身体の状態を確認してみることをおすすめします。
参考文献
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Bhasin S, et al. Testosterone Therapy for Hypogonadism: An Endocrine Society Clinical Practice Guideline. J Clin Endocrinol Metab. 2018.(PMID: 29562364)
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Mehta PH, Josephs RA. Testosterone and cortisol jointly regulate dominance: Evidence for the Dual-Hormone Hypothesis. Horm Behav. 2010.
-
Mazur A, Booth A. Testosterone and dominance in men. Behav Brain Sci. 1998.
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Geniole SN, et al. The Winner Effect in Humans: Meta-analytic evidence. Neurosci Biobehav Rev. 2017.
-
日本泌尿器科学会・日本メンズヘルス医学会. LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き. 2022.