Time-Restricted Eating(時間制限食)はテストステロンに良い?|健康寿命との関係をエビデンスで解説
「何を食べるか」だけでなく、「いつ食べるか」が注目されています
近年食事内容だけではなく、
「いつ食べるか」
が健康に大きく影響することが分かってきました。
その代表が
Time-Restricted Eating(TRE:時間制限食)
です。
例えば、
- 朝8時〜夕方6時の10時間だけ食べる
- 12時〜20時の8時間だけ食べる
といったように、1日の食事時間を8〜12時間程度に制限する食事法です。
断食(ファスティング)とは異なり、毎日決まった時間内で食事を摂る方法です。
近年は肥満や糖尿病、健康寿命との関連が数多く研究されています。
では男性ホルモン(テストステロン)にはどのような影響があるのでしょうか。
TREでテストステロンは上がる?
結論から言うと、TREそのものがテストステロンを増やすという明確なエビデンスはありません。
一部の研究では、8時間食でテストステロンがやや低下したという報告もあります。
しかしこれらは
- ボディビルダー
- 大幅なカロリー制限
- 急激な減量
など特殊な条件が多く一般の方にそのまま当てはめることはできません。
現在の考え方では、TREそのものよりも、「体重がどう変化するか」「栄養が十分か」の方が重要と考えられています。
肥満の改善はテストステロンにプラス
TREの最大のメリットは自然と摂取カロリーが減り、減量しやすくなることです。
肥満では脂肪組織にあるアロマターゼという酵素によってテストステロンがエストラジオール(E2)へ変換されやすくなります。
また、
- インスリン抵抗性
- 慢性炎症
- 睡眠時無呼吸症候群
なども合併しやすく、男性ホルモンが低下しやすい状態になります。
つまりTREによって内臓脂肪が減少すれば、間接的にテストステロンを維持しやすくなる可能性があります。
肥満と男性ホルモンの関係は肥満とテストステロンで解説しています。
体内時計(サーカディアンリズム)との関係
TREが注目される理由の一つが、体内時計との整合性です。
人間の代謝は24時間一定ではありません。
一般的には朝から昼にかけて
- インスリン感受性
- 糖代謝
- エネルギー利用効率
が高く、夜遅くなるほど低下します。
そのため最近では夜遅い食事を減らし、早い時間帯に食事を終える「Early Time-Restricted Eating(eTRE)」
が注目されています。
体重減少効果だけでなく、血糖値や血圧、脂質代謝の改善を示す研究も増えています。
テストステロンには睡眠も重要
男性ホルモンは主に睡眠中、特に深い睡眠で多く分泌されます。
睡眠とテストステロンの関係は睡眠とテストステロンもご覧ください。
そのためTREを行うことで
- 夜食が減る
- 睡眠の質が改善する
- 体重が減る
のであれば、テストステロンにとって良い環境になる可能性があります。
逆に、
- 空腹で眠れない
- 睡眠時間が短くなる
- 過度な食事制限になる
という場合には逆効果になることもあります。
筋トレをしている人は注意
筋トレをしている方では、食事時間を短くしすぎると十分な
- タンパク質
- エネルギー
- ロイシン
- 必須アミノ酸(EAA)
が摂れなくなることがあります。
筋肉量を維持するためには、1日あたり十分なタンパク質を摂取し、それを3〜5回程度に分けて摂る方が、筋タンパク質合成には有利と考えられています。
TREを実践する場合でも、食事回数を減らしすぎるより、限られた時間内で十分な栄養を確保することが重要です。
TRT中の方にも有効?
テストステロン補充療法(TRT)中でも、肥満や内臓脂肪の改善は重要です。
TRTだけでは生活習慣の問題は解決できません。
TREは、運動や筋トレと組み合わせることで、体脂肪減少や代謝改善を後押しする可能性があります。
ただし、TRTを受けているからといって、極端な断食や長時間の絶食が必要になるわけではありません。
当院がおすすめするTRE
現在のエビデンスから考えると、原料を考える方に最も現実的なのは
10〜12時間程度の食事時間です。
例えば、
- 朝8時〜18時
- 朝9時〜19時
など、夕食を少し早めに終えるだけでも十分です。
まずは
- 夜食をやめる
- 就寝2〜3時間前までに夕食を終える
- 毎日ほぼ同じ時間に食べる
ことから始めると続けやすいでしょう。
極端な16〜20時間断食を無理に行う必要はありません。
当院からのメッセージ
Time-Restricted Eating(時間制限食)は近年最も注目されている食事法の一つです。
現在のエビデンスでは、TREが直接テストステロンを増やすことは証明されていません。
しかし、
- 内臓脂肪減少
- インスリン感受性改善
- 睡眠改善
- 生活リズムの正常化
を通じて、男性ホルモンが働きやすい身体づくりに役立つ可能性があります。
一方で極端なカロリー制限や長時間の絶食は、筋肉量の減少やテストステロン低下につながる可能性もあります。
大切なのは、「食べないこと」ではなく、「食べる時間を整え、必要な栄養をしっかり摂ること」です。
血糖・体重管理は糖尿病、生活習慣全般はテストステロンを上げる方法もあわせてご覧ください。
筋トレや十分なタンパク質摂取、良質な睡眠と組み合わせることで、健康寿命や男性ホルモンの維持につながる生活習慣を目指しましょう。
参考文献
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