がん患者にテストステロン補充療法(TRT)はできる?がんの種類・病期・治療状況別に考える現実的な判断基準
「がんと診断されたことがある人に、テストステロン補充療法(TRT)は行えるのでしょうか?」
男性更年期障害やLOH症候群の診療では、がんの既往がある方や、がん治療後にテストステロン低下を来した方から、このような相談を受けることがあります。
がん患者に対するTRTは、一律に「すべて禁忌」とすることも、「前立腺癌以外なら安全」とすることも適切ではありません。
判断に重要なのは、次の4点です。
-
がんの種類と、ホルモン依存性の有無
-
がんが現在活動性を持つか、治療後に寛解・制御されているか
-
TRTによる症状改善が期待できるか
-
TRTを行った場合の腫瘍学的安全性について、どの程度のエビデンスがあるか
本記事では、がんの状態別にエビデンスを整理し、実際の診療でどのように判断するのが現実的かを解説します。