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新型肺炎コロナウイルス感染症の治療薬アビガン・レムデシビルについて

以前から、中国でコロナウイルス感染の治療に用いられていた抗インフルエンザ薬のアビガンレムデシビルについてのコラムです。

いろいろな治療薬の臨床試験が組まれていますが、実際の有効性はどうなのでしょうか?

コロナウイルス感染についてはこちら
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スマホやPCを使って相談出来ます。

医師が対応しますので医療機関の受診による感染のリスクを懸念される方、出歩くことを避けたい方はご利用下さい。

処方箋を薬局にFAXした場合の自己負担額は千円程度で医師と相談出来ます。


アビガン、レムデシビルなどのコロナの治療薬について

  1. アビガン、クロロキンなどのコロナの治療薬について

  2. アビガンとは

  3. アビガンの既に出ている使用報告や状況

  4. エボラ出血熱の治療薬レムデシビルについて

 

1.アビガン、クロロキンなどのコロナの治療薬について

アビガンの他にも、喘息の治療薬のオルベスコや抗マラリア薬のクロロキンなどコロナへの治療薬として期待されているものがあります。

https://en.wikipedia.org/wiki/COVID-19_drug_repurposing_research

上のリンク先、2.2がアビガンです。

 

現状はアビガンが一番効果がありそうと期待されている雰囲気です。

chloroquineもダメだったようです。

現状は、抗HIV薬のカレトラ、膵炎の治療薬フサン、喘息の吸入薬オルベスコなどが使われているようです。

 

2.アビガンとは

2020年の3月に抗インフルエンザ薬として承認されました。

一般名はファビピラビルで、RNAポリメラーゼ阻害薬です。

元々はインフルエンザの治療薬として開発されました。

 

エボラ出血熱やマールブルグ病にも効果があるのではと注目されていました。

催奇形性の可能性が指摘され、インフルエンザの治療薬の切り札的ポジションとされています。

具体的には、日本政府で在庫を管理し必要時に出荷して使用する体制となっており、医療機関の判断で自由に処方できる薬ではありません。

 

 

RNAポリメラーゼ阻害薬とは、RNAを複製させないようにする≒RNAウイルスを増殖させない薬と考えて下さい。

元々の治療対象のインフルエンザウイルスも、コロナウイルスも一本鎖のRNAウイルスですので同じように効果が出ることが期待されています。

 

3.アビガンの既に出ている使用報告や状況

中国ではコロナウイルス感染に用いられて肺炎の治療成績が良かったなどニュースになっていましたが、論文は取り下げられたそうです。

抗HIV薬との比較で改善率が高いという話だったと思います。

残念ながら、

  • 投与群のほうが優位に若い
  • 発熱がない人が多い
  • 参加人数が少ない

等が理由で取り下げとなったとの事です。

 

このアビガン、日本からの創薬で富士フィルム富山化学さんが開発しています。

日本から希望する国々に無償供与するらしく、すでにインドネシアやアルバニア、イランなど20カ国への供与を調整済みとのことです。

https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200407/mca2004071315027-n1.htm

 

日本国内でも治験が始まるそうです。

https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14327

 

この記事では、早ければ7月以降に全国の医療機関で処方されると書いています。

https://www.mbs.jp/news/kansainews/20200406/GE00032433.shtml

期待しちゃいますね。

普通の新薬は認可まで時間かかりますけど、アビガンの場合は保険外適応への適応拡大ですので早そうです。

(抗インフルエンザ薬として承認されていて副作用は許与範囲内とお墨付きなので認可が早くなると考えて下さい)

 

ドイツでも投与開始とのことです。

https://www.sankei.com/life/news/200407/lif2004070073-n1.html

と、このように色々な臨床試験が組まれていますが

  • コロナウイルス感染症の患者数が少ない
  • 重症化率や致死率が低い

事からは治療介入による有効性が示しづらいことが考えられます。

例えば致死率30%みたいな病気の治療薬ならそれが20%になりました!とか証明するのに多くの症例数が必要ないです。

現状日本の致死率2%台ですので、それと有意差のある致死率1.0%にできました!を証明するのはとても多くの症例が必要です。

4.エボラ出血熱の治療薬レムデシビルについて

アメリカでの治療の報告が出ています。

あくまで症例報告レベルのお話で、きちんと比較対照試験で他の治療薬や自然経過と改善率を比べたわけではありません。

エボラ治療薬で68%が改善 コロナで重い肺炎の53人

既存の重症患者さんの死亡率と比較して、効果がありそうならこれから臨床試験が組まれると思います。

レムデシビルはアビガンより薬価が高いのが残念です。

 

いずれにせよ、何らか治療薬があるとなると、多くの人の不安を取り除けそうですね。

良い効果があることを期待しています。

アビガンは、催奇形性のために妊婦さんに使用できない点が残念です。


ワクチンのコラムでも記載していますが、各国各チームがワクチン・検査キット・治療薬の開発競争している状況です。

これだけ大きな騒動になっており市場規模が大きくどの国も自国の企業に勝たせたいのだと思います。

日本では皆保険のため、(開発され保険適応となれば)おそらく世界中で最もコロナの検査や治療薬が使われるようになると思います。

高額な薬価で日本の医療費の多くが特定の企業に流れることになるかも知れませんね。

日本でも予算や人をつけて取り組んでいることを期待しています。

 

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