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水中毒(熱痙攣)

大量に発汗する環境では水分だけの過剰摂取は危険です。

喉の渇きに応じて飲水しましょう。


熱中症で起こる熱痙攣について

本日19時から放送の【その原因、Xにあり!】でコメントいたしましたのでコラムでも記載します。

ちなみに特集名は”知れば助かる!夏の身近な突然死スペシャル”です。

担当したのは水中毒のコーナーです。

水中毒とは、精神疾患のある患者さんに多く発生する病態です。

過剰な水の摂取により、血中のナトリウム濃度が低くなり(低Na血症)を起こしひどい場合には生命の問題となります。

熱中症で水分だけを補給する事で低Na血症となることは非常に稀ですし、医学的には熱痙攣といいます。

ただ、病態としては水中毒と同じですので、熱中症が基礎にある水中毒という切り口での特集でした。

ちなみに2002年、2003年のボストンマラソンや2002年のロンドンマラソンではレース中の不適切な水分補給により水中毒が発生しています。

ランニング学会の見解 マラソンレース中の適切な水分補給について

脱水による熱中症が注目され、レース中はとにかくたくさん水を飲みなさい!という時代だったためです。

その後、水中毒の危険性が広く知られ、様々なスポーツ医学会から水分摂取量のガイドラインが発行され適切な水分補給が行われるようになりました。

概ね、2%程度の脱水を許容するという考えから、喉の渇きに応じて水分を補給するという内容になっています。

 

マラソンレースなどの大量に発汗する環境で最低○リットル!と喉の渇きを無視して水分を補給する事は避けましょう。

糖類の過剰摂取に注意が必要ですが、電解質の含まれるスポーツドリンクもうまく利用して下さい。

ただ、スポーツドリンクも血液よりもナトリウム濃度が低いので水中毒を起こす可能性があります。

ボストンマラソンの例でも半数以上はスポーツドリンクを飲んで水中毒を起こしていました。

また、経口補水液のOS-1は熱中症の治療でよく使われます。

非常に吸収が早い組成となっています。

脱水の心配がある場合には準備しておくと良いですね!

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