東京都千代田区大手町の内科・健康診断・予防接種

子宮頸がんワクチンと肛門の扁平上皮癌について

何かと話題の子宮頸がんワクチン(ヒトパピローマウイルス:HPV ワクチン)についての論文です。

多くの医師が積極的推奨を求めて、過去にマスコミで(因果関係があるかは不明ですが)副作用を大々的に取り上げられていた事が話題のものです。

色々ありますが簡単にまとめると、

  • HPVワクチンにより子宮頸がんで亡くなる方や、妊孕性を失う若い女性が減る
  • 打った後の精神疾患等の発生率は打っていない人と有意差なし

はすでに報告されています。

とは言えワクチン接種は強制されるものとは思いませんで、推奨派の人も、反ワクチンの人も、なるべく正しい情報を集めて論理的に判断するよう努めてください。

今回はHPVワクチンによる肛門の扁平上皮癌(SCCA)の発生率の変化を調べた論文の紹介です。

肛門の扁平上皮癌もHPVとの関連が強く、予防効果を調べられています。

大手町の内科のクリニックのコラムです。


よく、子宮頸がんは女性だけのものだから男性には不要、とか男性を介して移るので男性も打つべき、とか議論されていますが男性にも関わる疾患での効果を見た論文です。

Association of Human Papillomavirus Vaccination With the Incidence of Squamous Cell Carcinomas of the Anus in the US

元々、肛門の扁平上皮がんは、約90%がヒトパピローマウイルス(HPV)感染に関連していることから、ワクチンで予防できる可能性が高いとされています。

米国のHPVワクチン接種対象者は

  • 2006年から26歳までの女性
  • 2011年から21歳までの男性全員と、26歳までの男性の一部

です。

2001年から2018年の米国癌統計の情報を元に、ワクチン接種対象の肛門の扁平上皮癌発症率について分析しています。

2001年から2008年と、2008年から2018年での発生率の変化を回帰モデルを使って調べています。

その結果、ワクチン接種対象者を含む20~44歳において肛門の扁平上皮癌発症率が低下していました。

45~64歳では増加していました。

これらのことから、肛門の扁平上皮癌も減らしているだろうと結論づけられています。

色々な立場からの意見を目にしますが、効果の実証されている施策に予算をつけるのが公衆衛生では大事なのではと思っています。

男性も公費で打てると良いですね。

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