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サプリメント(オメガ3とビタミンD)の効果について

米国で人気のあるサプリメント、オメガ3とビタミンDの影響を調べた研究です。

健康寿命が伸びる、精神的に良い影響が有り精神疾患が減る、など謳い文句に販売している方がいますが実際の効果はどうなのでしょうか?

内科クリニックのコラムです。


オメガ3とビタミンDのサプリメントの長期投与の影響を調べた研究の紹介です。

VITALスタディ(Vitamin D and Omega-3 Trial)という大規模調査です。

18353人の方が無作為化され

  • オメガ3群(エイコサペンタエン酸465mg、ドコサヘキサエン酸375mgを含む魚油1g/日)
  • ビタミンD3群(2,000IU/日)
  • オメガ3+ビタミンD3
  • プラセボ群

の4つのいずれかに割り付けられ、中央値で5.3年間の治療を受けています。

結果としては、気分スコアの変化は有意差なく、うつ病に関してはオメガ3群でプラセボ群よりも有意にリスクが上がっていました。

心血管疾患含めたその他の項目では、

  オメガ3群 プラセボ群
心血管疾患 2.7% 2.9%
全死亡 3.3% 3.1%
自殺 0.02% 0.01%
消化管出血 2.6% 2.7%
皮下出血 24.8% 25.1%
胃痛 35.2% 35.1%

でした。

従前に期待されていたような心血管疾患のリスクを抑えたりする効果も、副作用も特になさそうな結果です。

サプリメントは日本ではビタミンCなどが人気のイメージですが、米国ではオメガ3とビタミンDとアスピリンが強い人気の印象があります。

(アスピリンはサプリメントではなく保険医薬品ですが)

サプリメントを過信したり、効果の立証されている医薬品のリスクを過大評価したりせずに適応のある方が適切に使うことが大切です。

オメガ3のEPAは、脂質異常症の方には心血管疾患を抑える効果があります。

既往歴が有りハイリスクの方には、バイアスピリンに併用して追加効果が出たという報告もあります。

こういう論文を読んで、オメガ3意味ないんだ!で自己判断で中止しないようにしましょう。

 
内科クリニックのコラムでした。
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