東京都千代田区大手町の内科・健康診断・予防接種

健常人のマンジャロのエビデンス

マンジャロ(Mounjaro™=チルゼパチドについて

糖尿病でない人(肥満または過体重、非糖尿病)に対する体重減少効果と副作用について、主要臨床試験報告を基にまとめました。

  1. 体重減少効果(非糖尿病者)
  2. 副作用(糖尿病を持たない人含む)
  3. 実臨床(リアルワールド)での効果
  4. 目的に応じた投与量の目安

まとめ

の順に記載します。


1.体重減少効果(非糖尿病者)

SURMOUNT-1試験

肥満あるいは過体重で糖尿病を持たない成人に週1回のチルゼパチド(5・10・15 mg)を72週間投与:

SURMOUNT‑4試験(無作為化維持試験)

まず36週間のオープンラベル導入期(最大 tolerated dose 10 or 15 mg)、続いて52週間の二重盲検比較期間:

  • 導入期終了時で平均20.9%減

  • 継続服用群はさらに5.5%追加減少、対してプラセボ群は体重の14%増加(リバウンド)Nature+2PMC+2diaTribe+2

  • 最終的に、開始時からの体重減少は25.3%(継続群)と9.9%(プラセボ群)NCBI+13PMC+13Nature+13

その他のデータ

  • 糖尿病を伴わない肥満者における臨床試験では、チルゼパチドにより平均して15~20%前後の体重減少が報告されていますdiaTribePMCPubMed


2.副作用(糖尿病を持たない人含む)

消化器症状

  • 代表的な副作用は、吐き気、下痢、便秘、嘔吐、食欲減退など。これらは多くが軽度〜中等度で一過性Drugs.com+1uchealth.org+1

重篤な報告

  • 脱水による急性腎障害(稀)

  • 膵炎のリスク(GLP‑1系薬で知られており、チルゼパチドも同様)

  • 胆石・胆嚢炎(急速な体重減少が誘因)

  • 注射部位の過敏反応や皮膚反応

  • 心拍数の上昇(頻脈) や **低血糖(特に10 mg以上で起こり得る)**程度も報告されていますPMC+9NCBI+9Cleveland Clinic+9Drugs.com+1uchealth.org+1

長期安全性など未確立事項

  • ヒトにおける甲状腺C細胞腫瘍の発がん性(ラットでの報告あり、ヒトでは不明)

  • 長期中断後の体重再増加リスク生体システムへの影響についてはまだ研究段階であり不明の点が多いuchealth.orgNCBICleveland Clinic


3.実臨床(リアルワールド)での効果

Cleveland Clinicによるリアルワールド研究(BMI平均約39以上の重度肥満者 約7,881名、うち糖尿病前段階を含む)では:

  • 臨床試験ほどの体重減少は得られない傾向。例:治療継続&高用量維持群で約18%減、一方で中止群や低用量群では約3.6〜6.8%減にとどまる場合もCleveland Clinic

4.目的に応じた投与量の目安

目的 投与量の目安
軽度の減量・副作用が気になる場合 5〜7.5 mgで継続
明確な体重減少を目指す場合

10 mg以上が一般的(臨床試験の主成績群)

最大効果を狙う場合 15 mg維持が最も大きな体重減少効果(最大25%減)

注意点

  • 早期に15 mgへ増量しても効果が高まるとは限らず、副作用リスクが上がる可能性がある

  • 吐き気・下痢・便秘などの副作用は、増量時に起こりやすい(2.5 mgや5 mgで安定してから次の段階へ)

  • 肝障害・膵炎の既往がある人は慎重に使用する必要あり

  • 妊娠予定者・授乳中・BMI <27の人には原則使用推奨されない


まとめ:非糖尿病者におけるチルゼパチド(マンジャロ/Zepbound)

項目 内容
対象 糖尿病を持たない肥満・過体重成人
主な効果 最大で 20〜25%の体重減少(72~88週の臨床試験)
副作用 消化器症状中心(吐き気、下痢、便秘、嘔吐など)、脱水・腎障害、膵炎・胆石などの報告もあり
維持の重要性 中断すると体重再増加の傾向あり(SURMOUNT‑4)
実臨床と差異 現実の診療では、継続・高用量使用でも臨床試験より抑えられた体重減少率

注意点

  • 2025年時点で、マンジャロ(Mounjaro)は肥満や体重管理を目的とした正式承認は得ておらず、指定された用途は2型糖尿病の治療のみ。一方で、Zepboundというブランド名でチルゼパチド製剤が体重管理用として米国で承認された例もあるが、マンジャロそのものの適応は現時点では糖尿病のみに限られますPMC+1diaTribe+1Cleveland Clinic+3Drugs.com+3PMC+3

  • 長期使用・中断後の影響や、ヒトでのまれな副作用の発現率等については、継続的な調査・報告が必要です。

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