肥満と男性更年期障害の関係
肥満と男性更年期障害の関係|体重増加がテストステロンを下げる理由
最近、お腹が出てきたと感じませんか?
「以前より疲れやすくなった」
「やる気が出ない」
「筋肉が落ちて脂肪が増えた」
「性欲が低下した」
こうした症状があると、多くの方は年齢のせいだと考えます。しかし、その背景には男性更年期障害(LOH症候群)やテストステロン低下が隠れていることがあります。
そして、テストステロン低下と深く関係しているのが「肥満」です。
男性更年期障害(LOH症候群)とは?
男性更年期障害とは、加齢やさまざまな要因によってテストステロンが低下し、心身に不調をきたす状態です。
代表的な症状として、
- 疲労感
- 気分の落ち込み
- 集中力低下
- 性欲低下
- 勃起機能の低下
- 筋力低下
- 睡眠の質の低下
などがあります。
近年では40代以降だけでなく、30代でも生活習慣の乱れや肥満によってテストステロン低下がみられることがあります。
肥満はテストステロンを低下させる
肥満、特に内臓脂肪の増加はテストステロン低下の大きな原因のひとつです。
脂肪組織には「アロマターゼ」という酵素が存在します。
この酵素は男性ホルモンであるテストステロンを女性ホルモンのエストラジオール(E2)へ変換する働きを持っています。
内臓脂肪が増えるほどアロマターゼ活性が高まり、
- テストステロン低下
- エストロゲン上昇
が起こりやすくなります。
その結果、男性更年期症状が出現しやすくなります。
テストステロン低下はさらに太りやすくする
問題はここで終わりません。
テストステロンが低下すると、
- 筋肉量が減る
- 基礎代謝が低下する
- 脂肪が蓄積しやすくなる
- 活動量が減る
といった変化が起こります。
つまり、
肥満 → テストステロン低下 → さらに肥満
という悪循環が形成されるのです。
外来でも、
「体重が増えてから元気がなくなった」
「筋トレしても筋肉が付きにくくなった」
という方は少なくありません。
睡眠時無呼吸症候群も関係する
肥満の方では睡眠時無呼吸症候群(SAS)を合併していることがあります。
睡眠中に呼吸が何度も止まると、
- 深い睡眠が減る
- 成長ホルモン分泌が低下する
- テストステロン分泌が低下する
ことが知られています。
実際に、男性更年期症状を訴えて受診された方の中に、重度の睡眠時無呼吸症候群が見つかるケースもあります。
日中の強い眠気やいびきがある方は注意が必要です。
体重を減らすとテストステロンは改善する?
肥満の改善によってテストステロン値が上昇することが報告されています。
特に内臓脂肪が減少すると、
- アロマターゼ活性の低下
- インスリン抵抗性の改善
- 慢性炎症の改善
などを通じてホルモン環境が改善する可能性があります。
実際に、減量後に
- 性欲が改善した
- 朝の勃起が戻った
- 疲れにくくなった
と感じる方も少なくありません。
筋トレは男性更年期対策になる?
筋力トレーニングは、
- 筋肉量維持
- 体脂肪減少
- インスリン感受性改善
などの効果が期待できます。
特にスクワットやデッドリフトなど大きな筋肉を使う運動は、男性更年期世代にもおすすめです。
継続可能な運動習慣が重要です。
こんな方は一度検査をおすすめします
- お腹周りが急に増えた
- 疲れやすい
- やる気が出ない
- 性欲が低下した
- 筋力が落ちた
- ダイエットしても痩せにくい
- いびきが強い
このような症状がある場合、男性ホルモン低下が関係している可能性があります。
血液検査によってテストステロン値や関連ホルモンを評価することで、原因が見えてくることがあります。
まとめ
肥満と男性更年期障害は密接に関係しています。
内臓脂肪が増えるとテストステロンが低下しやすくなり、さらにテストステロン低下によって脂肪が増えやすくなるという悪循環が生じます。
「年齢のせい」と思っていた疲労感や性欲低下、筋力低下の背景に、肥満と男性ホルモン低下が隠れていることも少なくありません。
男性更年期症状が気になる方は、体重管理だけでなく、テストステロンの状態も確認してみることをおすすめします。