テストステロンと亜鉛の関係
テストステロンと亜鉛の関係|男性ホルモンが気になる方へ
「亜鉛を飲むとテストステロンは上がる」は本当?
亜鉛は男性ホルモン(テストステロン)の生成に関わる重要なミネラルです。そのため、「亜鉛サプリを飲めばテストステロンが上がる」といった情報を目にすることがあります。
しかし実際には、すべての人で亜鉛補充によってテストステロンが上昇するわけではありません。
重要なのは、「亜鉛が不足しているかどうか」です。
テストステロンは精巣で作られる
男性のテストステロンは主に精巣のライディッヒ細胞で産生されます。
その指令を出しているのが脳の視床下部・下垂体であり、
- 視床下部
- 下垂体
- 精巣
からなる「HPG軸」と呼ばれる仕組みによって調節されています。
亜鉛はこのテストステロン産生過程に関与しており、不足すると男性ホルモンの生成効率が低下することが知られています。
亜鉛欠乏ではテストステロンが低下する
いくつかの研究では、亜鉛摂取量を制限すると血中テストステロン値が低下することが報告されています。
また、亜鉛欠乏状態の男性に亜鉛を補充すると、低下していたテストステロン値が改善したという報告もあります。
つまり、
「亜鉛不足によって下がったテストステロンは、亜鉛補充によって正常化する可能性がある」
ということです。
亜鉛が十分な人では大きな変化は期待しにくい
一方で、もともと亜鉛が不足していない健康な男性では、亜鉛サプリメントによるテストステロン上昇効果は限定的です。
よくある誤解として、
「亜鉛をたくさん飲めばテストステロンもどんどん増える」
という考えがありますが、そのようなデータはありません。
不足している人を正常化する効果は期待できますが、正常な人をさらに高値へ押し上げる効果は大きくないと考えられています。
こんな方は亜鉛不足に注意
以下のような方は亜鉛不足のリスクがあります。
- 肉や魚をあまり食べない
- ダイエット中で摂取カロリーが少ない
- 激しい運動をしている
- 大量発汗が多い
- 慢性的に飲酒量が多い
- 胃腸の吸収障害がある
- 高齢男性
特に筋力トレーニングを行っている方やアスリートでは、発汗や代謝の増加により亜鉛消費量が増える可能性があります。
男性更年期症状との関係
テストステロンが低下すると、
- 疲れやすい
- やる気が出ない
- 集中力が続かない
- 性欲が低下した
- 勃起力が落ちた
- 筋力が低下した
といった男性更年期症状が出現することがあります。
もちろん、これらの症状があれば必ず亜鉛不足というわけではありません。
加齢、睡眠不足、ストレス、肥満、糖尿病など様々な要因が関係しています。
しかし、男性ホルモン低下が疑われる場合には、テストステロンだけでなく亜鉛状態も確認しておく価値があります。
TRT中でも亜鉛は必要?
男性ホルモン補充療法(TRT)を受けている方から、
「テストステロン注射をしているなら亜鉛は不要ですか?」
と質問されることがあります。
TRTによって血中テストステロン値を補充していても、亜鉛は免疫機能、皮膚、毛髪、味覚、精子形成などに関与しています。
そのため、TRT中であっても亜鉛不足があれば補充を検討する価値があります。
特に妊活中の方では、亜鉛は精子形成にも重要な栄養素のひとつです。
亜鉛補充のポイント
亜鉛補充を行う際は、吸収効率にも注意が必要です。
亜鉛補充のコツ
✓ コーヒーやお茶と一緒に飲まない
✓ 鉄剤とは時間をあける
✓ マグネシウムとは別のタイミングで飲む
✓ 水または白湯で服用する
✓ 可能であれば空腹時に服用する
まとめ
亜鉛はテストステロン産生に関わる重要なミネラルです。亜鉛欠乏がある場合には、テストステロン低下や男性更年期症状の一因となる可能性があります。
ただし、亜鉛サプリメントは「男性ホルモンを増やす薬」ではありません。亜鉛不足を正常化することで、本来のホルモン産生をサポートする栄養素と考えるのが適切です。
疲労感や性欲低下、筋力低下などが気になる方は、テストステロンだけでなく亜鉛の状態も確認してみるとよいでしょう。